先輩が好きな幼馴染が俺に恋愛相談してきた。.....ってかそれなんか俺の様な?

アキノリ@pokkey11.1

第一章 相談に乗ったは良いが

何かおかしいんだが.....?

第1話 何かがズレている気がするんだが

赤ん坊の頃からの.....まあ要するに小さい頃からずっとの女の子の幼馴染、満田幸奈(みつだゆきな)。

その幼馴染の俺、的場陽(まとばよう)は幸奈と月と鼈ぐらいの差が有る。

まあ簡単に言えば成績も容姿も美少女と凡人という感じで違うのだ。

とても悔しいけど.....運命だと思って受け入れている。


俺達は互いに16歳で県立高校の2年生だ。

幸奈とは本当に小学校、中学校、高校もずっと一緒である。

だけど高校だけはちょっとだけハイレベルな為、幸奈に負けない様に一生懸命に勉強している。

その側で何時も幸奈は支えてくれた。

幸奈には本当に世話になっている。


因みに待ち兼ねた幸奈の外見であるが。

茶髪の胸の少しだけ大きいスタイル抜群の美少女に育ってしまった。

顔立ちがやけに整った柔和な感じの顔。

それから声がやけに甘ったるいアニメ声。


少しだけツンデレ気味な感じの部分がある。

髪の毛の色は黒。

左右に小さなツインテ。

所謂.....中華の人がよくしている様なあんまんの様な髪留めをしている。

身長は163センチであまり高くないが本格的な美少女である。


成績優秀で容姿端麗と言えるが少しだけ幼馴染は、うーん、な部分もある。

まあその。

多少の忘れ物が多い自然体なのだ。

そして少しだけ天然である。


だけどそれを置いても俺は.....というと。

外見はクリッとした目をしているが居たって普通。

そして茶髪交じりの黒のクリッとした髪をしている。

まあこれも普通で顔立ち凡人で勉強も普通であり。

つまり.....幼馴染より秀でるものが無い能天気なボンクラと言える。

何でこんなに差が出来ちまったのか。


「.....」


実はそんな幸奈には好きな人が居る。

学校中で幸奈はとても人気ではあるが、だ。

俺は窓から好きな人に黄色い声援を送っている幸奈を見ながらの4月の桜も散った様な外を放課後に眺める俺。


この事は本当に微笑ましいが正直、うーん、という感じだ。

美少女に黄色い声援の主はイケメン。

つまり最高の組み合わせだ。

いや俺は幸奈に恋愛感情は無いのだが.....その。


なんか嫌。

ただのワガママかもしれんが.....うん。

因みに幸奈が好きな人の紹介だが。

それは野球部で部長で途轍もないイケメンの土方正平(ひじかたしょうへい)という名のこの高校の3年の青年である。

身長は俺より10センチ高い180センチぐらい。

これまたイケメンで俺と同じ様に黒髪と茶髪の入り混じった様な髪を坊主にしているのだが.....俺の数百倍モテるので嫌気が差す。


バレンタインチョコを100個貰ったという記録が出たぐらいなので.....。

そんな土方先輩を幸奈は心から好いていると思う。


もう分かるかもしれないが土方先輩と俺とでは天地の差が強烈に有る。

土方先輩は本気で頭も良い。

幼馴染はそんな土方先輩に惹かれたのだろう。


この恋愛に割って入る事は決して出来ない。

所謂、計算式で言うと()が入る感じで守られているのだ。

学校1モテる美少女が土方先輩を好いている強さ。

俺にどうしろというのだ。

まあどうなっても良いとは思っているが、ではあるが。


「で?話って何だ?」


「あ。そうだね。よーちゃんに恋愛相談かな」


「.....うーん。土方先輩の事か」


「.....まあそうだけど.....まあうん.....うん?」


「.....?」


少しだけ複雑な顔をする幼馴染。

まあ幼馴染は天然な所があるしな。

このイマイチな隠し方もよく分かる。


だけど相当に美少女であるので.....こうやって話し掛けてくれるだけでも嬉しいっちゃ嬉しいが複雑な事だなそれ。

俺は苦笑いを浮かべながら友人を先に帰らせてかオレンジ色の夕日が差し込む中。

カーン、と野球のバットが球を打った音がする中。


俺と幸奈は椅子に腰掛けた。

それから机を挟んで改めて向かいながら見つめ合う形になる。

しかし幼馴染の恋愛相談、か。


まさか恋愛する年頃になるとはな。

幸奈が、である。

感慨深い。


「それでぇ?好きな人の特徴は?」


分かり切った様にしながら聞く俺もおかしいがニヤニヤする。

本当にこういうの楽しいよな。

その言葉に赤面で片腕で頬杖をついている俺に向いてくる幸奈。

真っ赤になって少しモジモジしながら。


俺はその様子に苦笑いと苦笑が混じった顔で見る。

するとようやっと幸奈は話し始めた。

俺に意を決しながらの感じで、だ。


「えっと。好きな人は黒髪の茶髪が入り混じった感じで」


「.....うんうん。.....土方先輩ってそんな感じだもんな」


「そして顔立ちはそんなにイケメンじゃ無いけど.....とても好きなの」


「.....そうか。いや。っていうか土方先輩の顔立ちが美男子じゃ無いってそこまで言わなくても。.....しかしお前やっぱり好きなの土方先輩なんだな。.....そんな隠すというか卑下しなくても良いじゃないか」


へ?、と声がした気がした。

それから目を丸くする幸奈。

でもそんな意外性の反応をするぐらい本当に好いているんだな。


うーん。全くな.....土方先輩め。

幸奈はイケメンじゃ無いって言って隠しているか配慮しているんだな土方先輩に。

全くコイツという奴は.....昔から変わらん。


しかし本当に土方のとっつぁんめ。

ワイの娘の美少女幼馴染を惹かせやがって絶対に許されんぞ。

とはいえ好いたものは仕方が無いだろうしな。

父親として見送るしかない。

我が箱入り娘を。


考えながらため息交じりで俺は目の前の幸奈を見る。

しかしその幸奈は何故か俺を赤面で見ていたのだが少しだけ怒っている様に見える。

え?え?え?

そのままプイッとそっぽを向いた。


「.....意味分からないんだけど。.....えっと。うん。鈍感なんだね」


「.....は?」


「.....何でもない。.....というか鈍感すぎて.....逆にドン引きかな」


「.....?????」


え?ちょっと待って。

この反応ななに?

何でこんなに落胆しているの?

俺は必死に顎に手を添えて考えるが答えが出ない。


そして顔を上げてもう一度、幸奈を見る。

幸奈は外を見ながら、違うのに、と呟いた気がしたが。

よく聞こえなかった。

俺は?を浮かべて眉を顰める事しか出来なかった。

あれ?土方先輩だよね?好きなの。

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