『火の島』 下の上の下
やましん(テンパー)
『火の島』 下の上の下
見た目くまさん、中身は異星人、の子供は、僕たちが思っていたよりも、ずっと凄かったのです。
彼らには、一種の集団思考力があり、瞬く間に全体の合意を取り付けたらしいのです。
もちろん、その背景には、彼ら一族の持つ、『宇宙ごき』への反発があったことは間違いのないところです。
ぼくと、焼き鳥おじさんと、その『見た目くまの子』は、遥か彼方に聳える、大火山に向かって出発したのです。
もちろん、地球ごきが奪ってきた、あのパトカーに乗ってです。
一方、地球ゴキは、例の『宇宙ゴキ』大風船人形を被って、麓の町に潜伏したのです。
反乱の準備は、ちゃくちゃくと進みました。
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しかし、近くに行けば行くほど、その火山のすごさには、圧倒されそうでした。
近くにある様に感じたのは、あまりに大きかったからなのです。
そいつは、火星のオリンパス山に匹敵するものだったのです。
『これは、とてつもない火山だなあ。』
ぼくが感嘆の声を上げたのです。
『ううん。いやあ・・・いつも眺めてはいたが、真実とは恐ろしいものだなあ。』
焼き鳥おじさんも、驚嘆していました。
それでも、まだまだ、距離があります。
『こういうところには、昔から怪物が住んでいることになってるんだ。』
『そういうこと、言わないでください。』
ぼくたちのこの会話を、くまさんは、だまって聞いておりました。
でも、なんで、急に言葉が分かるようになったのか。
それこそ、この、『見た目くまさん属』の、ものすごい能力の一環だったのです。
まず、驚異的な、学習能力があるようなのです。
しかし、なぜ、そんなに優秀ならば、いくらか抜けたところがある『宇宙ごき』の支配下に甘んじたのか。
まあ、地球人類も、そうなのですが。
パトカーの中で、ぼくは、口数が少ない、この『見た目くまの子』に、色々質問してみました
かつて、『見た目くまさん属』には、実は地球人には及びもつかない技術力が、あったらしいのですが、あることがきっかけで、それを自ら、封印してしまったらしいのです。
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『火の島』 下の上の下 やましん(テンパー) @yamashin-2
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