第1階 Reincarnation
私は永遠に近い時の流れを感じながら、夢を見ていた。
身体をゆっくりと起こしながら、
「(またこの夢なのね。)」
そんな気持ちの中で私はゆっくりと目を開いた。
生まれてすぐに八歩歩いて
「生世死世完全成個。」
私の初まりを、歩む足で唱えた。
手がとても小さくて、足りずに唱えられないためだった。
私に父と母から名付けられた名はハツミリア・ルイデ。
日常的に父と母の言葉、動作、仕草のすべてから娘として、とても愛されている実感が毎日心の奥底まで響いてくる。
そんな日々を過ごしている。
私は父から戦う術を日常的に教わり、とっても強い父を心から愛し尊敬していた。
そんな父にある日、勝負を持ちかけられる。
ルールは無用、一撃当てた方が勝ちだと。
"神々の夢"としてとっても有名な父。
私は勝てると答えが出てしまっていた、憧れ尊敬する父を目の前にして。
私は私が神様の様法でも天使の使法でも悪魔の魔法でもない何かを持っていることを知っていた。
私は剣を持てず、魔法も使えない。
だけど、父も母も知らない私だけの特別な白い剣が、父に届く。
この日の出来事は私にとって、強い自信として深く心に残っている。
その日の帰り道だった。
父が、ある異世界の話しを聞かせてくれた。
それは私のかつての学友が生み出した異世界のことだった。
父の話を聞いた私は、悩み考えて、1人でその異世界に行くと両親にまっすぐに伝えた。
「「なにかあったらすぐ助ける!」」
両親からはこの言葉をもらっていた。
私が向かう異世界は魔法学園Gloryに通っていた頃に友達になった2人が協力して創り上げたと聞いている。
私が向かう先では私自身の特別な力をどのぐらいにしたら、ちょうど良いのか分からなかったから、異世界相応の種族として生まれる特殊な魔法を使って私は上手く双子の妹として生まれることが出来た。
ーー転生
これがその手法。
異世界の両親にアオナ・エカルラートの名を頂いた私は気付けば赤子だった。
毎日が夏休みみたいに異世界生活を満喫していた。
とても優しい姉が世話をしてくれるのが少し気恥ずかしかったけれど。
異世界の父と母もまた麗しかった。
首がすわる前に両親は亡くなってしまって、姉のアカナ・エカルラートに育ててもらっていた。
私は優しいお姉ちゃんからの愛を経験していた。
「バブー!!」
とか言って赤ちゃんライフを楽しく満喫していた。
エンジョイ!って叫びたかったよ。
何が起こるか分からない異世界生活にワクワクウキウキが毎日止まらなかった。
私は私の魔法をたくさん創って私の小さな異世界に入れていった。
姉のアカナは神々の一柱ハツミリフィと契約を結び産まれた国の一つである、和泉の国の女王となっていた。
誰からも好かれ私の姉はみんなにしたわれていた。
最近寝返りを打てるようになったばかりの時期に和泉の国に4人も現れた。
穏やかではない雰囲気にとても友好的なお客様ではないように感じられた。
今回は特に和平的に解決して欲しいなと思っていたし、せめて私の行動が自由になる歳になってからと祈ったけれど長くなる話し合いに
「服従するでありす」
と1人が言って。
アカナの右目に状態異常:獄麻痺を使われ目が開けない状態に陥っていた。
残念ながら神ハツミリフィの力を持ってしても異常の治療はできてはいなかった。
それは地獄に充満する魔力を呼び出し、麻痺の効力をとても高めていたから。
アカナの目はぱっちりしていて可愛かったんだよ。
突然の出来事に声が出せないアカナ。
ラブラビアというその女は真紅に染まる社交界のドレスに身を包み、空色の様に透き通る髪を棚引かせ、まるで死んでいるかの様な白い肌で全身を包まれていた。
そしてそのか細い腕からは想像もつかない力と恐ろしい速さで
「使えないでありすねー」
と言いながら悪の笑みを浮かべアカナの左足を攻撃した。
アカナは避け切れず左足に状態異常:霊化をもらってしまっていた。
この霊化という状態異常を引き起こせることから私はラブラビアが人間であるという考えを捨てた。
霊化はゾンビ化に近い状態異常で幽霊にする。
通常、幽霊は特殊な魔力機関を特別に作り、魔法を行使している。
すなわち幽霊の弱点を持ってしまう。
「そうね〜、あの赤子を人質なんて素晴らしいでありんす」
「私がどうなろうともアオナを人質に渡すなんて考えられません!」
ラブラビアの邪悪な力を目の前にしても、アカナは自分の意思を曲げなかった。
ラブラビアは冷ややかに微笑み、
「素晴らしいでありす! 人間の姉妹愛というものでありすか! とてもバカでアホな愛でありす! まとめてGAME OVERにしてさし上げるでありす!」
「まぁ、待ちなよラブラビア」
高音域の声をした151cmほどのエルフのイケメンがラブラビアの肩に手をおいた。
「クウウ、何でありすか?まずそのお口を凍らせてさし上げるでありすか?」
ラブラビアは邪悪で薄気味悪い笑みを浮かべている。
「メイユール様が戦闘不能者は出すなと今日はおっしゃられたでしょう? 」
クウウと呼ばれたイケメンが邪悪な笑みをラブラビアに向ける。
「えぇそうでありすね...」
ラブラビアの表情が暗くなる。
「メイユール様の御言葉を聞かなかったことにすると言いたいのかな...? 」
クウウの表情から気持ち悪いぐらいに穏やかな心が見てとれた。
「とんでもございませんわー!!! いつもいつも無力なワタクシ達にこのミリカンテアをおまかせ下さいましたのですよ? それゆえにいつもよりはりきってしまっていましたでありす。何を本気に取っているのかしらねぇ」
絶対的な自信を持ったラブラビアの勝ち誇った様な醜悪な笑みが咲いた。
「...ボク達はメイユール様への忠誠心だけでこの場を共にしている様なものだからね。
さぁ! 競争しようか! この場所を中心に! この地を平定するのは誰か、このミリカンテアの端から」
クウウは無邪気な犬の様な表情を不気味にも浮かべている。
「良いでありすね」
そう言い残して4人はこの場をあとにした。
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