今夜誰の胸で眠る
JUN
第1話
「こどもが出来てなくてホッとしたんだ」
それは突然だった。昨日と変わらない今日がその言葉と同時に音もなく崩れ落ちていくのを感じて紗彩はその場に崩れ落ち動けなくなった。
そんな紗彩に音羽は冷たい目で続けた。
「ずっと考えてたんだ。別れよう」
2人で暮らしていた見慣れたカーテン越しの景色が遠くに感じて自分だけが遠い知らない世界に吸い込まれていく様なそんな感覚のまま抜け殻になった。
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