楽園のナイトメア
@suika_hosihana
第一章 全ての始まり
プロローグ
目の前には白衣姿の研究員が数人が立っていた。ぼやけてよく見えない彼らの顔を隠すようにカプセルの蓋は閉まり、暗闇に閉ざされた。
何かが倒れる音と同時に目の前が明るくなる。足元にはナイフが刺さった男が倒れている。周りには手足がもげて苦しむ人や死体が転がり、白かったはずの部屋は赤く模様替えされていた。
腹部に痛みを感じ、視線を下げる。見ると小さいナイフが刺さっていた。そのまま倒れ、再び目の前が暗闇に閉ざされる。
目を開けるとそこは森の中だった。その森の中で一際大きな木を枕に寝ていたようだ。隣には顔がぼやけてよく見えない少女がいた。二人は立ち上がり、森の中を歩いて行く。いくらか進むと森を抜け、広い花畑に着いた。
そこには一人の少女がいた。やはり顔はぼやけてよく分からないが、その少女は泣いていた。
一緒にいた少女が何かを彼女に話しかける。
やがて少女は泣くのをやめて、三人は仲良く遊んだ。
三人は森の中を歩いていた。
進んで行くと大きな、光の輪にたどり着いた。その向こうには研究室で白衣を羽織った研究員達が忙しそうにしているのが見える。
一人の少女は怖そうな顔をしていた。一方顔色一つ変えずにもう一人の少女と一緒に進んで行く。
二人が円を通り、残った少女の方を振り返る。
少しして少女がゆっくりと歩き出した。
輪までもう一歩のところで、それは突然火花を散らし、爆発した。
森と研究室は燃え、研究員たちの叫び声が響く。
爆発に巻き込まれた研究員は無惨にも人として判別できる状態ではなかった。燃えて苦しむ人もいた。
少女は何とか庇うことが出来て無傷だが、気を失っていた。
森の方を見ると、火の海の中で少女が倒れていた。
すぐに輪は縮小し、消滅した。そして気を失い、再び暗闇の中に閉ざされた。
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