一に妹 二に性欲 三にクラスメイト
らかん
第1話
「......分からん」
「まったくもって分からん!!!」
クラスに大きな声が響いた。
その大きな声を出したのは俺。
「......おい、お前、大丈夫か?」
「はっ......!?あ、ああ、いや、その......」
クラスの人、そして先生から俺の方に向けて、痛い視線が飛んでくる。
「......すいません」
俺は小さくそう言って椅子に座りなおした。
「あと少し、あと少しで......」
なにをそんなに焦っているかと言うと、俺の腹が限界だから。
別にトイレに行きたいとかではなく、単純に腹が減っていたから。
なのに、壁掛け時計はそんなことを知らず、ゆっくりと秒針が動いている。
この時間が終われば昼休みだというのに、この時計は......ってあれ?
おかしい、なぜか時計の秒針が動いていない。
壊れたのか?と思ったが、俺以外の人たちがまったくもって動いていなかった。
「ちょいちょい、君ってば」
「え?」
俺は声がした方を見て見ると、そこには窓に腰かけている少女がいた。
「お、俺になんか用?というか、なんでみんな動かなくなって......」
「はいはい、時間を止めているのはこのあたし。よく言うでしょ?時間を止めれる魔法とかが欲しいとかなんとかって。まっ、そんなことどーでもいいんだけど」
その少女はぴょんと窓から降りると、俺の方に寄ってきた。
「ねえ一つ言っていい?」
「な、なんだよ?」
「あたし、あんたの妹にしてほしいの」
「はっ???」
当然訳が分からなくなる。
「ふふっ、そりゃあ突然言われればそうだよね。とにかく、あたしをあんたの妹にしてくれって言ってるの。どう?妹にしてくれたら......あたしのパンツ見せてあげてもいいよ」
そう言った少女は、なぜか自らスカートをめくり......
「ははっ!今期待しちゃったでしょ?」
悪戯のような笑顔でそう言う少女。
こいつ......ビッチか?
まあそんなのなんだっていいんだけど。
「ええと、なんだっけ?俺の妹にしてくれだと?」
「そう!まあ、その説明も後々してあげるから心配しないで」
「妹ねぇぇ......別にいらないって訳じゃねぇーんだけどさ......」
欲しい訳でもなくいらないという訳でもない。
だったら......
「うーん......分かった、お前を俺の妹にしてやるよ」
少し考えた答えはそれだった。
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