第215話
本当にそれでいいのだろうか。
メレクに相談しようと思ったが残念ながら今はいない。
たまたまサクさんが通りかかったので呼び止める。
「あ、サクさん。ちょっと聞きたいことがあるんですけど……」
「あ、うん。どうしたの? ランドロスくん」
「俺って働きすぎだと思います?」
「えっ……ん、んー、ここに来て半年ぐらいだけど、たしかにずっと動いている印象があるかな。どうしたの? カルアちゃんに怒られてたの?」
「いや、怒られていたわけじゃないですけど……。もう少し休日を増やそうかと思って」
サクさんは少し笑って掃除をしているシャルの方に目を向ける。
「いいんじゃないかな。日中寂しそうにしていることが多いし、新婚の間ぐらいはずっと一緒にいても」
「……それもそうですね。じゃあ、一週間ぐらいは……休んでみるか」
シャルやカルアとデートもしたいしな。
そう考えているとカルアがドヤァと自慢げな表情を浮かべる。
いや、まぁ……カルアの言った通りではあるけど、元々カルアの頼みで登っていたのだから若干不服である。
しばらくギルドで休んでから、掃除を終えたらしいシャルを呼んで自室に戻る。
新しく買ったソファに座るとシャルとカルアが両端からもたれかかってくる。柔らかい感触と女の子の匂いに身体が反応しそうになるが、それを必死に抑えていると、カルアが面白がるように俺の腹をツンツンと突く。
「……やることないな」
「……ん、イチャイチャしましょうよ」
「……イチャイチャと言ってもな。具体的に何をすればいいのかと……」
俺がそう言うと、シャルは俺の服の袖を摘んでくいくいと引っ張って薄桃色の唇を俺の方に向ける。
その行為の意味が分からないわけではないが……。今まで何となく、他の嫁や恋人を前にキスをするのは控えて来ていた。
カルアの方に目を向けると、カルアは「次は私ですよ?」と予約する。
……いいのか。ソファの上で小さな体を俺にもたれかけさせるようにしていたシャルの、薄い唇にちょんと唇を引っ付ける。
柔らかい。気持ちいい。
興奮しながらすぐに離そうとするも、シャルの手は俺の服をまだ引いていて離してくれない。
どうしようと考えているとシャルの舌先が俺の唇を撫でるように舐めていく。
シャルは明らかに興奮した様子で俺の唇の間に小さな舌を入れてきて、思わず耐えきれなくなって口から舌を伸ばしてシャルの舌に触れさせる。
濡れた舌のにゅるにゅるとした感触と温かさ、あるいはその味や匂いに興奮して舌を絡ませると舌を絡ませ返してくる。
「え、えっ、わ、私の前でそんな激しいことをするんですか!? ら、ランドロスさんの、大きくなってますし……」
カルアが実況をする。
……好きな女の子とねばっこいキスをしているのだから、男の象徴が反応するのは仕方ないだろう。
カルアを横目で見ると顔を真っ赤にしながら、羨ましそうに、若干の興奮を持った表情をしていた。
もしかして、俺とシャルのキスに興奮したのだろうか。
「わ、わぁ……し、舌、すごいことに……くちゅくちゅと言ってますし……わ、シャルさん気持ち良さそう……」
シャルとのキスをしつこくしていると、シャルがゆっくりと口を話す。俺とシャルの間に出来た唾液の糸がぷつりと切れて、シャルはボーッとした表情でキスの余韻に浸りながら頭を俺の膝の上に乗せる。
その際に俺の物に気がつくも顔を真っ赤にして俺の腹とは反対向きに顔を向ける。
その初々しい反応に余計に反応してしまう。
「か、カルアさん、実況をするのはやめてください。恥ずかしかったですから」
「す、すみません、気持ちよさそうで、思わず。……これ、私とシャルさんが間接キスということになりますけど、大丈夫ですか?」
「ん、大丈夫です。ランドロスさんがお望みの子供の女の子でのハーレムプレイをするとなると、間接キスどころではなく、裸でひっつくことになりますから」
シャルの言葉を聞いて思わず「えっ」と反応してしまう。
「い、いや、そういうことをする予定はないぞ」
「……したいのは分かってますから、隠さないでいいですよ」
商人の馬鹿な言葉がまだ尾を引いている……。
いや、まぁ理性も何もかなぐり捨ててしまえば、裸の三人に囲まれてふにふにしたやわっこい体を押しつけられれば、それだけで達してしまいそうだが……。
そういう俺の欲望のために一人一人を大切にしないようなことは許されないだろう。
というか、今更だが、子供相手に欲情してハーレムを作るというのは……。と、思っていると、カルアの顔が近づいてくる。
「わ、わわ、カルアさん、自分から行くんですね」
シャルの方を見てみると少し悪戯そうな表情をしながらジッとこちらを見て実況していた。
どうやら先程のことをやり返すつもりらしい。
カルアはシャルの意図に気がついたらしく、照れたように俺から顔を離して逃げようとするが、俺はカルアの腰に手を回して逃げられないようにしてから口を付ける。
「ら、ランドロスさんが、襲いかかるみたいに強引に……」
気が散るうえに気恥ずかしい。けれどそれが気にならない程度にはカルアからはいい匂いがして、柔らかい感触を夢中になって味わいながら舌先を伸ばして、嫌がるカルアの唇の間に入れる。
「わ、む、無理矢理……いいなぁ……う、羨ましいです」
シャルはそういうのがいいのか。
舌先をカルアと絡ませながら、勢いに任せてソファにカルアを押し倒して逃げられないようにしながら貪るようにキスをする。
カルアが息苦しそうにしているのを見て、唇をゆっくりと離しながら息を整えると、赤くした頰を動かしたカルアに恨みがましそうな目で睨まれる。
「む、無理矢理するのは良くないと思います」
「……カルアから誘ってきたよな」
「と、途中で逃げようとしたのはランドロスさんも気がついていますよね?」
「……いや?」
俺が誤魔化そうとすると、カルアはプンスカと怒る。
「う、嘘吐いても分かりますっ! ら、ランドロスさんとキスをしているのを見られるのが思いの他恥ずかしかったんです」
自分は実況までしていたくせに……。
シャルは顔を真っ赤にして俺達を見ていて、座り直して俺の服を微かに引っ張る。
休みなくキスをし続けるのは少し口が疲れるが、それを気にすることが出来ないほどシャルの綺麗な唇に惹かれる。
誘われるがままにキスをしようとしていると、シャルは嫌がるように逃げようとして、その意図に気がつく。
強引にシャルを押し倒すと「や、やですっ」などと言って微かな抵抗を見せるも、その表情は熱に浮かされていた。
先程のカルアにしたときのように押さえつけるようにしながらのキスをすると、シャルは気持ち良さそうに「んっ、んっ」と甘えた声を出しながら幼い体にしなを作って俺の手を握る。
されるがままに俺の舌に口内を蹂躙されてもその様子は変わらない。
俺が口を離すと、シャルは義務的に口を開く。
「……や、やだって言ったのに」
「なら、もうしないが」
「……や、やじゃないのは、知ってるのに、意地悪さんです」
恥ずかしそうにしているシャルが愛おしくて抱き寄せると、シャルは甘えたようにすりすりとしてくる。カルアはそれに嫉妬をしたのか、俺の後ろからギュッと抱きしめてくる。
アピールするように胸をふにふにと押し当ててきて、前も後ろも幸せだ。
……ああ、迷宮の攻略はもういいや。俺、一生こうして生きていきたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます