第7話 テスト

「パイセンパイセンパイセーン!」

女子2人+αに占領された教室のドアが勢いよく開いた。閉めた。そして少しだけ、開く。

「なんだ、天神天神天神みたいに」

「小テストがあったんですよ!今日!」

「へぇ」

落語の商人の相槌のような声を出す。

「何点だったと思います?」と後輩

「どこが難点なんですか?」と先輩

「どこかと言うと全部なんですけど、20点だったんです!」大きく言う後輩

「何点満点?」と聞く先輩

「はい!難点は満点でした!100点です!」

わぁ元気

「何問中?」片眉をあげて聞く先輩

「5問全て難問でした!」と後輩

「頭ないもんな」心ない先輩

「頭はあります!」違う。そうじゃない

「へぇ」

また相槌。

「ところでところで、先輩もあったんですよね?テスト」

机に手を置いてぴょんぴょん跳ね出す後輩、面倒臭そうに見る先輩、そこを覗き見る私は先輩の同輩。

「あったさ、どこで聞いた?福島っ子か?」

「Yes!」

発音のいいイエスが飛ぶ。

「100点中何点だったんですか?」

「100。後でお前と福島っ子には天誅だ」

やばい、助けて、死にたくない。

ボクは徐に立ち上がり、次に小走りに教室を離れた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る