もし、人生をやり直せるとしたら?

メロン

第1話 二回目の人生

「えっと、告白してくれてありがとう。告白されたことないからすごく嬉しい。けど、、、ごめんなさい。付き合えない、、、」


平 ノハル 15歳

中学3年の2月8日。

8年間の片思いが幕を閉じた。




それから、12年後ーーー

缶ビール片手に、とあるビルの屋上に来ていた。

人生最後になるであろうタバコに火をつけ、

自分の人生思い返してみる。



親父はおれがお腹のなかにいるときに亡くなり、母親と姉貴の3人家族の長男として産まれる。


私立の高校にギリギリ合格したが、なにもかもが中途半端なおれは、

高校を中退。

何も考えずに東京に上京。

夜の仕事で働きそこで知り合った女性とデキ婚。

娘が産まれて嬉しくて泣いたのを今でも覚えている。

娘が4歳になったときに離婚。

一人になったおれは仕事もやめてギャンブルにはまって気づいたら借金300万。



おれはなんてダメな人間なんだろ。そんなことを考えて、

家族や友達にも相談できず、

27歳の誕生日にビルの屋上から飛び降り人生から逃げた。




「ねぇ、平くん?聞いてる?」

誰かがおれの名前を呼んでる?


目の前には、おれが8年間ずっと片思いだった女の子の藤崎 怜奈がいた。


けど、おれが知ってる藤崎とは少し雰囲気がちがう気がする。


なんというか、幼い?


周りは木に覆われて石畳の長い階段に石作りの鳥居。


どこかで見たことがある。


「ねぇ!ねぇってば!」少し不機嫌そうに声をあげる藤崎。


「あっ、ごめん、なに?てか、藤崎だよね?」おれは訳もわからず答えた。


「何いってるの?当たり前じゃん。平くんが電話で今すぐ神社にきてって言ってきたけん、きたんじゃん」


「おれが?なんで?」


「はぁ?なんも用事がないなら、うち帰るけん。」藤崎が怒りと不信な目でこっちを見ていた。


「ごめん、あとでLINEするね」とおれはとりあえず、答えた。


「LINE?なにそれ?それじゃ、バイバイ」


そう言って藤崎は神社の鳥居をくぐり石畳の階段を降りていった。



一人になったおれは近くにあったベンチに腰掛けた。


よく見たら自分が学ランを着ていて、ズボンのポケットになにかはいってることに気づきそれをとりだした。


ガラケーだった、スマートフォンではなくガラケー。


それは母親に中学三年になったときに初めて買ってもらったガラケーだ。


日付を確認すると2009年2月8日、日曜日だった。



この日は忘れもしない藤崎に告白した日だ。

けど、おれはビルのから飛び降りたはず、、、

けど、生きてる。しかも、12年前に、、、いる?

って、ことはもしかして、過去にもどった?

タイムトラベルした!?!

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