宇宙人に顔射したら同棲することになった負け組ニートの話
まるお
飛行艇
もう、アラサーに入りかけた。趣味、飲酒とオナニー。ニートで毎日ダラダラと過ごしている。
いつからこんな事になったのかはわかんねぇ。精神病んで、就活失敗して周りが馬鹿ばかりに見えて、バイトなんてするつもりなかったから俺の才能を活かしてやろうと思った。
趣味で書いてたエッセイが姉に褒められたことがあるのを思い出して、俺は執筆の道で食っていこうと思った。結果は散々で、すぐに筆を折った。
そんな失敗をしてもなんとか生きていけるのは、一重に父親のおかげだ。実家が太いのをいい事に無理を言ってボロアパートを借りて、一人暮らしを始めた。親としてもこんなんを家に置いておくくらいなら、金がかかってでも遠ざけたいのだろう。で、今に至る。
ババアには「穀潰し」だと暴言を吐かれたこともあるけれど、そのうちそんなことは言えなくさせてやる。
閉め切ったカーテンと自炊しないからゴミだらけの部屋。部屋に充満したイカ臭い匂いと何かが腐った匂いにはとっくに慣れた。することも無いから暇潰しにAVでも見ようと思って、パンツを半分脱いでパソコンの前に座る。
暗闇にデスクトップの光が滲むのをかき消すように、カーテンの隙間から眩い光が差し込んできた。まだ正午だから、西日でもない。少し気になってちんこ丸出しでカーテンの隙間から外を覗く。
生まれて初めて、美しいものをみたと思った。
ひとつ、星が堕ちてくる。まだ昼間なのに、青空には星が輝きながら流星のように走り、雲を裂く。その筋が地平線にぶつかる瞬間まで、俺はそれを眺めていた。
こんな真昼間にフルチンで青空を扇いでいるのは、おそらく俺だけだった。
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