第57話 sweet summer

夏といえばなんだろう?

山?川?スイカ?プール?いや違うだろ

海!!


今日はクレアの家に泊まって3日目

僕は今海に来ている

しかもクレアと2人で

まさか万年ボッチ、プロボッチの僕が女の子と2人で海に来るなんて夢にも思わなかった

というか夢では?


頬をつねる

…痛い


どうやら夢ではないようだ

僕は今誰もいないビーチでクレアを待っている

所謂プライベートビーチというやつだ

クレアの家ならそれくらいあるだろうと思ってしまう辺り僕の感覚もおかしくなっているようだ


昨日クレアと買い物に出かけた時に買った水着を着ている


なんというか上半身剥き出しのまま外に出るというのはすごく違和感がある

普通の人はこんな格好で大勢の人がいる海に繰り出すなんてすごい精神力だと思う

僕は恥ずかしく無理そうだ


そんな事を考えていたらクレアが来た


「ごめん、お待たせ!」


声の方を向くと髪と同じくらい赤い水着に身を纏ったクレアがいた

ビキニタイプで下はパレオ?みたいなのを付けていて更にパーカーを羽織っている


可愛いーーーーーーーー!!!!!


ふぅ…危ない

危うく全力で叫ぶ所だった

なんとかギリギリ堪えた


「??、どうかしたの?」


「いや、すごく似合ってたから見惚れてたんだ」


「ほんと?嬉しい」


弾ける笑顔で僕の隣にぴょんと飛んで来た

いや、この可愛い生き物?天使?は何なんだ

完全に産まれてくる世界を間違えている

同じ空気吸っててすいません!!


楽しい!海がこんなに楽しいものだなんて初めて知った

みんなが海に来たがる理由がよく分かった


のだが…僕も男だ

見てはいけないと分かっていても見てしまう

というのもクレアは普段着だと全然わからないがそこそこでかい

でかいといっても同年代の中ではだが

それにスタイルも良い

遊ぶ時はパーカーも脱いでいるから尚更わかる

もうなんか上から下までエロい

エロくて可愛い、素晴らしい

こんな素晴らしい女性と結婚出来る男は一体どんな奴だろう

少なくとも僕みたいに冴えない男ではないことは確かだ


少し残念だけど仕方ないよな…


「……っと、あれ?」


急に視界が真っ暗になった



「ん……」


周りが赤くなっている

ということは夕方か

遊んでる途中に視界が黒くなって…

ん?頭が乗っているところがやわらかい

枕かな?


「起きた?気分はどう?」


クレアの声が聞こえる

けどなんだか近い?


あれ?

鼓動が速くなる

やばいクレアに聞こえる

早く起きなきゃ


「だっ、大丈夫!僕どんくらい寝てた?」


慌てて飛び起きて返事をする

どうやら僕はクレアの膝の上で寝ていたらしい


「1時間くらいかな?疲労が溜まってたんだって」


疲労か…

魔大陸に来る時ぶっ通しで動いてたツケが回ってきたようだ


「だからもうちょっと休みな?」


クレアは笑顔で自分の膝をポンポンする


「えっ、いやっ、大丈夫っ!!」


「駄目だよ!」


「えぇ…」


「いや?」


だからその顔は反則だよー


「いやじゃないです」


僕は顔を真っ赤にしながら1時間ほどクレアの膝で横になった

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