第23話 身体強化魔法

「今日から再び移動を始める、楽しいホテル住まいも終わりだ」


そういえば2ヶ月近く働いてもいないのにホテルで宿泊していた

師匠は富豪なのか?


「[纏い]が出来る様になったと言ってもまだまだだ!移動中は常に発動状態にしろ解除された瞬間、移動はストップとする」


再び移動が始まった

[纏い]を発動したまま移動するのは体力と魔力だけでなく集中力もいる

ちょっとでも意識を緩めると解除される

師匠はどうやってるのか分からないけど僕の[纏い]が解除された瞬間僕を捕まえて移動をやめさせる


[纏い]を発動しても体力の消費はさほど変わらない

なのに師匠には疲れた様子がない

素の体力が化け物なのか?

魔力に関しては分からないことが多い

その分強くなれる可能性があるからワクワク出来た


⇒2週間後


走っている間[纏い]を発動するのにかなり慣れてきた、魔力が増えたのか燃費が良くなったのか分からないけどかなりの距離を進めるようになった


最初は走って魔大陸にいくなんてバカだと思っていたけれど今では体力もかなりついたと思うしこの道中も修行の一部なのだと理解できた


「[纏い]にはかなり慣れてきたな次にホテルを見付けたら魔法を教えてやるよ」


「ホントですか?やったー!!」


初めて魔法を教わるということでドキドキしていた僕は師匠がクソ野郎という事を忘れていた


それから3日ほど移動してホテルを発見した


「さてこれから[纏い]の派生魔法、[身体強化]を教える」


「え、[纏い]と[身体強化]って違うんですか?」


「[纏い]は魔力の層を身体の表面に作り出すだけだこれで身体能力が上がることはない」


衝撃の事実を聞いてしまった

なら師匠は素の威力で岩を真っ二つにしたってことになる、まじで化け物だった


「[身体強化]を見してやる」


そう言った師匠の身体から青色の魔力が吹き出した


「綺麗だ」


青色に輝く魔力はとても幻想的で師匠に似合わないほど綺麗だった


「ポイントは3つだ!纏う魔力の濃度、魔力の解放、イメージ」


それだけ告げて師匠はどこかへ行った


「濃度、解放、イメージ」


忘れないよう呟きながら実践する


⇒1週間後


色々試してみて分かったことだが[纏い]に込める魔力量を増やすと青くなることが分かった

ただ青くなった瞬間[纏い]ではなくなり維持出来なくなる


⇒1週間後


維持出来なくなるのではなく解放する

2つ目のポイントの意味が分かった

爆発的な魔力の解放それにより身体能力をあげる

だがすぐに霧散してしまう何かが足りない


⇒1週間後


あれから進歩がない

どうしても上手くいかないし足りないものも分からない


「ポイントは濃度、解放、イメージつったろうがバカ弟子め」


「イメージってフワッとしてて分かんないですよ」


「[身体強化]によってお前はどうなりたい、何がしたい」


あぁ、そういう事か

かけていたなにかがハマったような感覚

どうなりたいか、何がしたいか


…そう、強く!強くありたい


そう想いを込めて[身体強化]を発動する

僕の身体から青い魔力が吹き出す

身体が軽いし力が沸いてくる

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る