関口 陽(ひなた) (10)

『見えてるか? こいつらは「気弾」とやらを使えるし、結界も張れるそうだ』

 ライブ配信からランの声。

 「本土」の「正義の味方」、「入谷七福神」、「寛永寺僧伽」、「四谷百人組」、「原宿Heads」……困った事に無線通信の規格が違うらしく、組織を超えた連絡は通常の携帯電話ブンコPhoneでやるしか無い。

 もしくは、今、ランがやってるように不特定多数向の動画配信サイトでライブ配信をやるか……。

 相手が「異界」から来た悪霊や魔物で良かった。

 複数の「正義の味方」「自警団」の組織が協力して、人間相手に戦うよ〜な場合に同じ真似をしたら……その敵に、こっちの情報がダダ漏れになる。

「あの……なんで、このゾンビもどき……口をパクパクしてんすか?」

 「原宿Heads」のメンバーが、そう訊いてきた。

「た……多分だけど、口から『かめはめ波』もどきを出してるけど……その『かめはめ波』もどきはデジカメに映んない……んだと思う」

「じゃ、このオレンジ色のオーラみたいなのは?」

「な……何だろうね?」

 その時、ランのヘルメットのカメラにあるモノが映り……あ、馬鹿、何やってる? それは、ゾンビもどきには効か……えっ?

 何?

 どうなってんだ?

 どうして、そうな……あ……まさか……。

 おい、このゾンビもどき、外で戦ったのと種類が違うのか?

 人間に近い真似が出来る……つまり、頭のいいゾンビもどきだから……この攻撃が効くのか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る