ブルーベリーアイ

@x_amanotuki_x

第1話

「ひらひらひら、桜が舞って俺も舞う。」

通い慣れた高校への通学途中、俺の親友の平松亮平(ひらまつりょうへい)は、腕をひらひら動かしながら俺にそう言った。

「お前も舞うか?」

「やらねぇよ」

今日もいつもと変わらないやりとりをしていると、我が校の校門が見えてきた。こちらも散々見てきた風景だが、満開の桜のせいか、少し華やかな雰囲気になっている。


今日は4月9日。俺の通うブルベリ高校の始業式だ。そして、この1年を大きく左右する運命のクラス発表が行われる。しかし、帰宅部で特に友達が多くない俺にとっては正直誰となろうが関係ない。そんなことを考えながら、2年のクラス掲示板に向かい1組から順に目を通す。1〜3組には1年で一緒だった名前がちらほらあるが、自分の名と親友の平松亮平の名はまだない。4組に目をやると平松の名前がでた。俺は平松より出席番号が若いので、あいつとは別のクラスということになる。はぁ、とため息をつき5組を見ると自分の名前が書いてある。平松以外に特に一緒になりたい人がいるわけではないが、とりあえず自分のクラスに知ってる人がいるか確認しようと、もう一度5組の名前を端から辿ることにした。すると俺は、あるひとりの女子生徒の名前に目を止めてしまった。



三浦琴音(みうらことね)



それが、俺が障害忘れる事の無い人の名だということを

この時の俺は知る由もなかった。

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