雨の音

御堂の外からはまだ雨の音。

伯母の日はいつも酷い雨。

悲しさとか悔しい気持ちとか。

残して行ったのかなと、思う。


あの日も雨の夜だったし。

見送った日も強い風と雨。

みんなで迎えた日も激しい通り雨。

その後、東の空には壮大な虹が出たなぁ。

またみんなで集まって思い出を語っていた時も、激しく屋根を叩く雨音。


そうして、今日もまた雨。



ロウソクの火がちらちら揺れるのを見ながら、



伯母の人生はそんなに悲しいものだっただろうか。

と、考えてみた。


多分、楽しい日も嬉しい日もあったはずだ。



最後、痛い苦しい辛いばかりを見ていたから、いつの間にかそんな思いになっていたかもしれない。


勝手に伯母が泣いている悔しがっていると思っていたけれども。

ほんとうは、雨も風も私の気持ちの荒れ模様だったのかもしれない。

きっと来年は晴れるかもしれないね。

あなたは晴れ女だったもの。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る