第6話

 あれからまた3日ほどがたった。僕は既に解放されていて他のクラスメイトとは違う場所だが兵舎の一室ももらえた。なぜ解放されたかというと僕はバーサーカーと同時に転移者でもあるらしいのだ。だから普通のバーサーカーではもらえないステータスやスキルポイントがもらえていたのだ。

 そのスキルポイントを使って狂化耐性を取得してあっさり解放だ。あの繋がれた数日はなんだったのだろうか・・・。まぁそこはいいとしてこれからの事だ。僕には2つの道から選択ができた。


 1つ目はこの国の兵士としてこのままここに残る選択だ。バーサーカーを封印すると僕には転移者が残るがバーサーカーの呪いなのか他の転移者よりステータスが低いのである。だから僕は正直ここにいてもうまみに欠けるのだ。


 2つ目の選択肢はお城を出て冒険者として生きるだ。だがそれには少し障害もある。元の僕・・・すなわちリュードは町を滅ぼしているのだ滅ぼしたといってもその町の人間をすべて殺したというわけではないのだ。だからそこから命からがら逃げた人々は僕の事をリュードとしてとらえるのだ。復讐で殺されないかビビっているのである。


 まぁ決めるのはもう少しあとでいいかな・・・そう思いながら僕は自分の能力であるステータスアップを使うのだ。僕の特殊スキルであるステータスアップは気を消費して使えば力や命が上がり、魔を消費して使えば抗と運が上がるバフ系のスキルという事だ。そして特殊スキルは使えば使うほど性能が上がるのだ。

 ちなみに僕は兵士の訓練には参加していないなぜならただ単にやる気がないからだ。当然オタクの僕が肉体派のわけがない。それにこの世界では生きているだけでも多少はレベルが上がるらしいのだわざわざそんなことするわけがない。


「おい。木村リュード遊ぼうぜ!」


 ベットでダラダラしていたがドアが開いて部屋に入ってきたのは勇者金剛だ。もうすでに自分の事は勇者金剛と名乗り城の中を闊歩しているのだ。そして暇になるとステータスが低い僕をからかいに来たりする。

 

「何しに来たんだ?勇者様?」

「聞いてくれよ。俺もう8レベルになったんだぜ!」


 勇者グループである彼らはパワーレベリングされている様で国が魔物を買いあさり無抵抗の魔物を倒すことで簡単にレベルをあげている様なのだ。

 

「まぁ俺の魔法がある限りどんな奴だろうが倒せるのだけどな!俺が貴族になったらお前を雇ってやるからな奴隷のリュード君!!」


・・・僕はこの時、兵士ではなく冒険者になることを決めた。


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