彼女たちの陰謀
@sorano_alice
第1話 動きだす影
ここは女子高の月星女子高等学校、いじめに関する都市伝説で有名な高校ではあるが優等生も数多く存在する。2年にはA組とB組が存在するがA組だから頭がいいといった頭脳で学年分けはしていない。5年前の都市伝説、それを信じる者はほとんどいなくなっていた、クラス替えされ新しい楽しい春を迎えるはずだったのだが…
4月も終わりを迎えようとして、少しずつ学園生活に慣れてきていたそのころ、黒麗夕香(こくれいゆうか)、長い黒い髪をした一見普通のように見える容姿だが死んだかのような目、そしてなにより3人の少女たちに物理的いじめを受けているにも関わらず全く表情を変えない、怒っているわけでもなく、恐怖を抱いているわけでもなく、助けを求めているわけでもなく
「痛いですよー、やめてくださいよー」
逆にその態度がいじめっ子たちにとっては反感を買っているのかもしれない。
いじめっ子の主犯だと思われる少女、茶髪で短髪の彼女は新羅美冬(しらぎみふゆ)。
「ほんとこいつ気味悪いわ、ムカつくんだけど」
蹴りながら隣の金髪のギャル、桑聖利(くわせいり)に話しかける。
「つーかさ、こいつ感情なくね?つっても他におもしれえやついねえしな、そうだよなぁ?」
更にその隣にまるでいじめっ子とは思えないような小柄な女の子、畑礼奈(はたけれいな)は熊のぬいぐるみを持ちながら
「やっぱりこんなことやめておきましょうよ」
自信なさげに言うが美冬が一蹴する。
「はぁ?こいつの泣きわめく姿が見たいから楽しいんじゃん、あんたわかってないわねぇ。それともなに?いじめた人は裁きを受けるだっけ?あれ信じてんの?」
「笑うわー、つーかさ、礼奈は甘すぎなんだって、そんなんだから熊さんの友達しかできないんだぜ?みときなって、いつかこいつも弱音吐くから」
二人に言い寄られる礼奈、しかしいじめられ続けて夕香はまだ一度も弱音どころか表情を変えたことすらない、そのつかみどころのない笑みなのかすらわからない言動でこの3人を困惑させる。
「やっべ、チャイムなるじゃんめんどー、いこー美冬、礼奈もー」
「私も行かないとですねー」
「はぁ…こいつマジでいじめられてる自覚あんのかよ…」
と、美冬は小声で呟きながら教室に戻る。ちなみに3人がいじめていることは他の生徒たちは知らない。空奏多(そらかなた)という人物を除き
「今日も痛かったですねー、いじめたものに裁きですか、一体だれがやっているんでしょうかねー」
いじめられているにも関わらず他人事のように呟き授業に専念するのであった。
放課後
周囲を警戒し、美冬たちが教室を出たのを確認した後夕香に話しかける人物がいた、空奏多(そらかなた)。
「ねぇねぇ、夕香さん大丈夫?私はあれいじめにしか見えないけど」
「大丈夫ですよー、でも痛いのは嫌だねー」
「先生に相談してみたらどうかな?言いにくいなら私が相談に乗るよ♪」
「別に酷いことされてないしー」
「えぇ…蹴られてたよね?人はね、ため込みすぎるとよからぬことを起こしてしまうんだよ」
と話していた途端、後ろから少し大きなボリュームで
「あんた達なんの話してるのよ!私も混ぜなさいよ」
と空気の読めない青髪のショートカットの少女が話しかけてくる、鳴海沢南(なるみざわみなみ)だ。いじめられているわけではないがボッチだ。
「あ、わかったわ恋バナね、あんた達いつもこそこそ話してるわよね?そういう仲なのね!いいわよ、私が聞いてあげなくもないわよ!」
「…あのね、恋バナじゃないし恋バナじゃないからちょっと黙ろうね?」
「じゃあなんの話してるの?聞かせなさいよ!」
「うーん…明日飴ちゃんあげるからそれでどうかな?」
「ほんとに?くれるの?わかったわ!人の恋事情に口を挟んじゃいけないわよね、今日のところは感染してあげるわ!」
「感染しないで…感染じゃなくて勘弁だよね…」
「そうよ、そう言いたかったのよ、じゃあ明日期待してるわ!ふっふーん、あでゅー!」
「はぁ…」
奏多は面倒くさそうにため息をついた。南のテンションはいつもこうなのである
その一時間後、屋上
少女は携帯で何者かと通話していた
「…、そう…、うん、わかったわ、お姉ちゃん…本当なら私が…」
そういって少女は通話を切った
次回予告
……
………
「はっはっはー、主人公は遅れてくるものよ!そう、覚えてくれたわよね!私が鳴海沢南よ!南って呼ばせてあげるわ!どう?私の活躍、何にも活躍してないって、はぁ?喧嘩売ってんの?まあいいわ、この回は序章?に過ぎないらしいわよ!まだ出てくるキャラがいそうな雰囲気ね!それにしても恋バナ気になるわ?あんた何話してたか教えてくれない?あっそうだ!次回からは主人公視点で話が展開していくらしいわよ!誰が主人公なのかしらね、楽しみね!まだ出てないキャラかもしれないわね!まあ、主人公は私に決まってるけど!それじゃあ次回会いましょう、あでゅー!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます