虹彩

夜の電車。

いつもよりずっと遅い時間に乗る電車は少し不快であった。

理由は私は早く帰りたい人間だからだ。

しかし、液晶へ目を落とすのに疲れ、瞬きをしてから外を見る。

遠くに街の灯りが見える。

次にガラスに映った自分に目を向ける。


輝いてる


向こう側の街が、自分の目の中で輝いている


「これが虹彩だったらな」

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