第12話 魔力測定

登校3日目、今日は実際に魔法を使って測定をするらしい


「魔法が使えるやつは手を挙げろ」

サウス先生が確認をする


ちなみに先生の名前は今日の朝にダイス君に聞いた。

初等部でも会うことがあったらしくてみんな知ってたようだ


10人くらい手を挙げる


「回復系の魔法が使えるものは?」


僕ともう一人、女の子が手を挙げる


「支援系の魔法がつかえるものは?」


僕とさっきの女の子、それに男の子が手を挙げる


「攻撃系の魔法が使えるものは?」


さっき手を挙げた男の子以外が手を挙げる


おお、3種類以上の魔法スキルを使える子がいたよ。

昨日、魔力量が500くらいだった子だ


「全種類使えるのはエルクとローザだな、エルクにやってもらうか」


今日も僕からのようだ


「あそこの的に魔法を当ててくれ、制御力を見たいからコントロール重視でな」


遠くにある的目掛けて土魔法で石礫を作って飛ばす。

狙い通り飛んでいき、的を破壊して壁に刺さる。


ん?なにか様子がおかしいな。

「エルク、私はコントロール重視って言ったんだが?」


「コントロール重視でやりましたよ。ど真ん中ではないですけど、真ん中付近には当たりました」


なにかおかしなことをしただろうか?


「……いや、ならいい。ちなみにあのサイズの魔法を同時に何発撃てる?」


的の真ん中に全部当てることを考えると……

「10発くらいですかね」


サウス先生はホッとした様子を見せる。


ちなみにサウスは同時発動数を聞いただけで、的に当てるとは言ってなかった。 実際には100や200くらい楽勝なことは知らない。


「支援魔法は何が使えるんだ?」


「魔法威力強化です」


「……なら、さっきと同じ魔法を支援魔法を掛けて撃ってくれ。撃つのは空に向かってでいい。海の方向にな」


「わかりました」


僕は空に向かって魔法を放つ

さっきの倍くらいのサイズの石礫が空に飛んでいく


「…込めた魔力はさっきと同じか?」


「はい、同じくらいです」


「わかった。回復系の魔法は何が使えるんだ?」

サウス先生は何か納得いかない様子のまま回復魔法について聞いてきた


「回復魔法です」


「そうか、お前もか」


「お前も?」

他にも回復魔法を使える人がいるのだろうか?


「いや、なんでもない。回復魔法は今は確認出来ないからな。必要があればその時に頼むことにする」


「わかりました」


「よし、次はローザだな」


ローザと呼ばれた女の子が前に出てくる

真っ赤な髪をした女の子だ。


ローザは僕の事をチラッと見たあと、測定をしていく。


測定方法はさっきと同じでまずは遠くにある的に魔法を当てる


「ファイアーボール!」


ローザの手から火球が飛び出して的の中心に命中する。

すごい!ど真ん中だ

的はプスプスと燃えている


何故かローザは悔しそうだ


支援魔法は俊敏上昇魔法で、これは昨日の体力測定で使っていた為、回復系魔法の測定に入る


「ローザが使えるのは治癒魔法だったな?」


「はい、それと状態異常回復魔法もつかえます」

少なくても4つ魔法スキルがあるのか…


「あぁ、そうだったな。どちらも必要がある時に測定も兼ねるとするか」


「わかりました」

結局、ローザが披露した魔法はファイアーボールのみになった


その後、残りの生徒の測定もして全ての測定が終わった


「さすがA組だな。皆、筋が良いようだ。明日からは通常授業だから教室に登校するようにな」


解散になったので帰ろうとするとローザに声を掛けられた


「エルクでしたわね。すこしお時間よろしくて?」


「はい」

なんだろうか?


「では、近くのカフェに行きましょう」


僕はローザに付いていきカフェに入る


「好きなもの注文していいわよ」


さすがお嬢様だ。

何にしようかとメニュー表を見て僕は固まる。高すぎる

「同じものでお願いします」


「遠慮しなくていいのに、まあいいわ」


ローザが目配せしただけで店員がオーダーに来た。

「いつものをこっちの子にも」


「かしこまりました」

いつもので通じるらしい


いい匂いの紅茶と豪華なケーキが僕の前に置かれる


ローザの前には同じ紅茶と高そうなケーキが置かれた


あれ?同じものじゃないけど……僕のやつの方が高そうだけどな

僕がキョロキョロしていると

「甘いものはお嫌いかしら?」


「いえ、なんだか僕の方が高そうなものが来ましたけどいいんですか?」


「遠慮なされているようでしたので勝手に注文しましたが、ご迷惑でしたか?」

そんな素振りはなかったのにな。ローザもだけど店員もすごいな


「そうではありませんが…」


「ならどうぞ召し上がって下さい」


「…ありがたく頂きます」


僕はケーキに口を付ける。

美味しい。甘すぎない感じがいいな。


「どうかしら?」


「すごく美味しいです」


「良かったわ。それでエルクに声を掛けた理由だけどお願いがあるのよ」


え?

僕の口からケーキがポロッと落ちた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る