国際進出
Q:世界市場でラノベ原作などの日本アニメはどうして通用しているのか?
A:「ヤングアダルト向けの漫画やアニメ」という空白を埋めた。
ディズニーの3Dアニメは、幼児を主な視聴対象にして、3D化が進まない日本アニメよりもずっと世界に流通している。幼児向けアニメの分野で、日本は20世紀に占めていた地位を大いに失った。今の世界の子供たちにとって、ディズニーの3Dアニメが第一印象であり、ドラゴンボールのような2Dは過去の表現媒体である。
また、台詞よりも枠外の文章で物語を動かすグラフィックノベルという西洋式漫画の平均的な表現水準は、日本の漫画よりずっと高い。
だが、その中間であるヤングアダルト級のアニメや漫画は極めて弱い。実写で標葉になったバットマンの悪役ジョーカーの物語を、幼児には難しすぎるとディズニーアニメは表現できまい。悪役堕ちだったら、日本だとジャンプ系アニメの挿話で出来ると思うが。
また、アメリカンフットボールやアイスホッケーを始めてみたいと思わせるスポーツや習い事の入門アニメ(スラムダンクみたいなもの)も作られていないようだ。
日本のアニメはヤングアダルト向けという中間領域を補っているが故に、世界的に流通した。製作者たちは外国のことなど眼中にないのに、世界で受けるのは、そこに市場の空白があったためだ。ヤングアダルト向けアニメという分野で他国に相手がいないから、作者も編集者も内向きのコンテンツなのに隙間に入り込めた。他国が本気でないから流通するのだ。
アニメと異なり、ヤングアダルトとしてのラノベには、他国に同等のライバルがいる。それ故、外国との競争が激化するゲーム業界と同じく、海外進出は難航している。
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