第2話 姐さんの場合

おや。これが中也のバイクかえ?

いい色をしてるではないか。惚れ惚れするねぇ。

えぇ?…汚れるのがやだから一回乗ったら洗車するのかえ?

それは難儀よのう?ん?…洗うのすら楽しい?

それは、よほど惚れ込んでおるのじゃのう。

いいことじゃ。

いい趣味を持った人間は、いい仕事ができるでの。


ん?わっちは、バイクより車がいい。

髪が乱れるし、風にあおられたら肌もカサカサじゃ。


それに、中也の大切な趣味なんじゃろ?邪魔をするつもりはない。


土産?…そんな気をつかわんでも。

仕事を休んで遠出するわけでもなかろう?

休日に何をするのも自由じゃ。好きなところに行っておいで。


…そんなに言うのなら、そうじゃのぉ。


たまには、甘いお菓子でも、買ってきてもらおうかの。

中也がおいしそうだと思ったものを、二つ、買ってきておくれ。


一緒に食べよう。


気をつけて行ってくるんじゃぞ。

土産も楽しみじゃが、土産話も待っとるでな。

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ちゅーやのバイク パスカル @pai-sen35

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