これはアオハルに含まれますか?

ある季節

プロローグ 高校生はみんなアオハルですか?

…?

『1年2組 26番 西口 蒼汰 (にしぐち そうた)』

…あれ、おかしい。そんなはずはなかったと思うんだけどな…、え?

無事、高校に入学。今日は入学式。同じ中学から友達はそこそこいったはずだ。

ところが…クラス名簿には、俺の名前以外には全て見たことも聞いたこともない名前が並んでいた。

俺はもう一度目を疑った。

…は?

「蒼汰、お前何組だった?」

急に声をかけられて振り返ると、幼馴染みの暁 龍斗(あかつき りゅうと)がいた。

「…2組。」

「え、うそ、マジでか!?」

「…は?」

「え、まさか蒼汰、知らないのか?」

俺は訳が分からないと怪訝な目を向ける。

「何をだよ。」

龍斗は真顔で少し引いている。

「うちの学校、クラス成績順で決まるんだぞ。1組と2組って、内部生の人達がほとんどだろ?」


「…初耳なんですけど。」


 クラスメイトに知り合いが0名。

 しかも、内部生ということは、俺以外はほぼ皆が面識アリ。俺だけが…異質?

 今までは、龍斗が毎度同じクラスにいて、クラスとか、集団行動が苦手な俺を引っ張ってくれていた。なんど龍斗に救われてきたことか…

 と、いうか、龍斗どころか知り合いすらいないとは。

 これは、コミュ障の民にとっては致命傷になりません?大問題ですよね?ヤヴァイですね。

高校生活。また、あたりまえの様に龍斗がいてくれる。そう思ってた。

 高校生はみんな青春だ。そう言うけれど、果たしてこんな俺も青春に含まれるのだろうか…。


青春とは

青春、自分がこれだと信じるものが、本当に青春なのだろうか。何か決まり決まった定義があるのだろうか。俺には無理だったので、Siri様に助けを求めてみた。

「hay Siri」

…あれ、なんで?なんか俺の携帯反応してくれないんですけど?なんなの、これ。もういい、Siriなんて知らない!ぷんぷん!(そろそろイタいのでやめます)

こういうときは、wikiに頼ろう!

「青春(せいしゅん)は、季節の「春」を示す言葉である。 転じて、生涯において若く元気な時代、主に青年時代を指す言葉として用いられる。」

…俺、青春に含まれますか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る