一緒に行こう

勝利だギューちゃん

第1話

「もう、君はひとりじゃないよ」

好きな女の子から、手を差し出される。


その手を握る。

温かい。


彼女からしたら、他意はないだろう。

でも、思春期の男子からしたら、それだけでときめく。


「君は、もっと鍛えた方がいいね」

「余計なお世話だ」

「肉体じゃないよ」

「じゃあ、何?」

「心」


そう・・・

僕はメンタルが弱い。

攻撃的な言葉や、否定的な言葉には、打ちのめされる。


「でも、自殺しないということは、意外と強かったりね」

「いや、僕は弱い。反論できない弱虫だ」

そう、反論が出来ない。


被害は最小限で抑えたい。


「根性がないと、言われるけどね」

「他人を痛めつける根性なんて、ただでくれてあげなさい」

彼女から、論される。


「ほら、早く立って」

彼女に起こされる。


「私がついてるから、これからはふたりでがんばろう」

「努力する」


これが、馴れ初めだ。

そして、その通り、彼女とは長い付き合いとなる。


子供ができて、孫もできた。


「まだまだ、これからだよ」

「そうだね」

「こうなったら、玄孫の顔も見ようよ」

「長生きしなくちゃね」


『老後はまだ先だ』

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一緒に行こう 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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