【ウェブ作家生活10周年記念エッセイ】佐伯達男のテレビのハナシ

凶悪事件凶悪事故とテレビ番組との関係

2021年６月17日～18日の夜遅くの間にかけて、さいたま市のネットカフェで40歳の男が立てこもり事件を起こした末にケーサツに逮捕された。

立てこもり男は、住所不定無職であった。

住所不定無職と言うことは、本籍地もないと思う…

同年６月28日頃、千葉県で60歳のトラック運転手の男がメイテイ状態で運転中に下校中の小学生の列にぶつかって５人が死傷した凶悪事故を起こしてケーサツに逮捕された。

メイテイ事故男は勤務態度生活態度優秀だったのに、会社へ帰る途中に寄り道してコンビニに酒をこうてその場で酒をのんだ末に人生すべてをワヤクチャにした。

トラック運転手の男は80代の両親と別々に暮らしているけど、親きょうだい親類縁者と険悪な状態に置かれていると思う。

『あさま山荘事件』『企業連続爆発時事件』『ダッカ事件』『梅川事件（大阪北畠都市銀行立てこもり事件）』『ロス疑惑』『福田和子事件（松山ホステス殺人事件）』『グリコ森永事件』『木村一八事件（傷害事件）』『宮崎勤事件』『オウム真理教による凶悪テロ事件』『函館空港ハイジャック事件』『ペルー日本大使館公邸占拠事件』『酒鬼薔薇事件』『大月孝二事件（山口母子殺人事件）』『下関駅通り魔事件』『西鉄バスジャック事件』『宅間守事件』『福岡市職員によるメイテイ事故』『加藤事件（秋葉原通り魔事件）』『在間事件（松山車暴走事件）』『白石事件（座間女男９人殺人事件）』『今治大井脱獄事件』『小島事件（東海道新幹線殺傷事件）』『島津事件（富山交番襲撃事件）』『飯塚事件（池袋車暴走事件）』…

ぼくが生まれてから50年の間に発生した凶悪事件の数々を挙げてみた。

上記に挙げた凶悪事件の容疑者・被告人・死刑囚・受刑囚・禁錮囚たちの家族関係は、完全に破綻したと思う。

親きょうだいと不仲…

親類縁者からうとまれた…

本籍地の家の筆頭主からカンドウされた…

………

他にも、深刻な理由はたくさんある…

そしてもう一つ、かれらが見ていたテレビ番組の内容にも少なからず影響している部分があることも考えられる。

朝日新聞で1991年９月30日まで連載された四コママンガで、サトウサンペイ先生の原作の時事マンガ『フジ三太郎』を取り上げてみる。

いつ頃の紙面かおぼえてないけど、フジ三太郎の息子がテレビを見ていた時のエピソードであった。

フジ三太郎の息子がアニメ番組を見ていたら、びわこ（フジ三太郎の妻）が『もう子供じゃないのよ!!』と言うて、息子に『アニメはやめなさい』と言うた。

フジ三太郎の息子がそれならばと言うてオトナのドラマを見ていたら、びわこが『まだまだ子供だから…』と言うて止めた。

それでは、びわこはどんな番組が100パーセント安全だと言いたいのか？

子供にあれいかんこれいかんと言うのであれば、テレビなんかみなんだらええのに…

それか、ふだんはテレビをしまっておく…

オリンピック開催期間中・サッカーワールドカップ開催期間中・ラグビーワールドカップ開催期間中・選抜高校野球開催期間中・プロ野球のオールスターゲーム・大相撲期間中・大みそか～お正月三が日の期間中・台風接近豪雨災害の恐れがある時・国政選挙の投票日・国家非常事態に値する時…だけテレビを使う…

…と言うことはできんのか？

フジ三太郎の夫婦は、ユージューフダンだから『そんなことできん…』と言うと思う。

話は変わって、凶悪事件事故とテレビ番組の内容との因果関係について話をする。

千葉県のメイテイ事故男は60歳…

メイテイ事故男が10代・20代の頃は1970年代～1980年代頃の昭和であった。

その頃に放送しよった主な番組…

バラエティで挙げると…

『ゲバゲバ90分』『８時だヨ！全員集合!!』『カックラキン大放送』『ラブアタック』『欽ちゃんのどこまでやるの？（欽どこ）』『欽ちゃんのどーんといってみよう』『欽ドンよい子悪い子普通の子』『オレたちひょうきん族』『欽ちゃんの週刊欽曜日』『夕焼けニャンニャン』『スーパージョッキー』『天才たけしの元気が出るテレビ』『風雲たけし城』『ビートたけしのスポーツ大将』『笑ってる場合ですよ』『笑っていいとも』『志村けんのだいじょうぶたぁ～』…

刑事ドラマは、生命の危険が及ぶ過激なシーンばかりでケンチョだった…

『太陽にほえろ』『Ｇメン75』『特捜最前線』『大都会』『西部警察』『あぶない刑事』…

時代劇は、おなじみの成敗ものが多かった…

『銭形平次』『大岡越前』『水戸黄門』『遠山の金さん』『江戸を斬る（ナショナル劇場版『遠山の金さん』）』『必殺』シリーズ『暴れん坊将軍』『長七郎江戸日記』…

『お昼のワイドショー』『ウイークエンダー』の再現ドラマでは、非常にいびつなシーンばかりがケンチョに目立った…

『ライオン奥さま劇場』『東海テレビ制作の昼ドラ』『土曜ワイド劇場』『木曜ゴールデン』…

他のドラマでも、いびつなシーンがケンチョに目立ちまくった…

『11ＰＭ』『トゥナイト』『オールナイトフジ』などの深夜番組も、過激な内容が多かったし…

そんな中で、『時間ですよ』シリーズ、『寺内貫太郎一家』シリーズ、『ムー』『ムー一族』などのホームドラマ・水谷豊さんが主演の『熱中時代・学園編』、武田鉄矢さんが主演の『３年Ｂ組金八先生』シリーズなどの学園ドラマシリーズなどは家族そろって安心してみられた番組であったと思う。

しかし、山田太一さんの脚本のドラマ『岸辺のアルバム』『沿線地図』『ふぞろいの林檎たち』では、非常にいびつな家族関係等がケンチョに現れた。

鎌田敏夫さん（徳島県出身）の脚本のドラマ『金曜日の妻たちへ（キンツマ）』シリーズでは、夫婦間の暴力など非常にいびつな内容だった…

アニメ番組でも、内容がケンチョな部分が含まれていた分を知ってる範囲で挙げておく。

『キューティーハニー』『ハレンチ学園』『まことちゃん』『ルパン三世』『キャンディキャンディ』『とんでも戦士ムテキング』『ダッシュ勝平』『うる星やつら』『さすがの猿飛』『夢戦士ウイングマン』『超時空要塞マクロス』『未来警察ウラシマン』『キャッツアイ』…

以上、1970年代と1980年代について挙げてみた。

つぎに、さいたまの立てこもり男は40歳である。

カレが10代・20代の頃は、1990年代・2000年代…と平成の真っ只中であった。

その頃に放送しよった番組で、バラエティ番組を挙げると…

『進め！電波少年（98年に『進ぬ～』に変わった）』『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』（継続放送中）『ウッチャンナンチャンのウリナリ』『とんねるずのみなさまのおかげです』『とんねるずのみなさまのおかげでした』『とんねるずの生でダラダライカせて』『ダウンタウンのごっつええ感じ』（終了した番組）『アメトーーク』（継続放送中）『水曜どうでしょう』『ＡＫＢＩＮＧＯ』『ものまね番組』…

90年代のドラマでも、非常にケンチョな内容が含まれているものがあった。

1996年夏に伊予テレビで木曜日22時からしよった織田裕二さんと常盤貴子さんが主演の『真昼の月』、1994年にテレビ愛媛でしよった『悪魔のkiss』、1997年夏に南海放送で月曜日22時からしよった『失楽園』…がそうだった。

テレビ愛媛で放送しよった『牡丹と薔薇』（東海テレビ制作昼ドラ）、『泣かないと決めた日』『名前をなくした女神』…もそうだった。

韓国ドラマ『ＳＫＹキャッスル』『凍ついた愛』『黄金の庭』『妻の誘惑』『二人の妻』『二人の女の部屋』…も、非常にいびつな内容だった。

『気に入らないことがあれば、家の中でおらび回ってイカクする夫』『家を守ることしか知らないので、四六時中キリキリしまくるシュウトメシュウト』『わが子のオジュケン最優先主義の妻』『職場で従業員同士が深刻な対立を起こす』…のシーンが目立ちまくっている。

アニメ番組では…

『新世紀エヴァンゲリオン』『ブルーシード』『マクロス７』『美少女戦士セーラームーン』シリーズ『キューティーハニーフラッシュ』（原作者は永井豪先生なので、少女マンガ風に置き換えても内容は同じだと思う）『アニメ版の約束のネバーランド』『七つの大罪』…

…にも、あったような気がする。

以上、1990年代と2001年以降の分を挙げてみた。

最後に、お子さまをおもちの読者のみなさまにお聞きしたいことがございます。

『しゃべくり007』『踊るさんま御殿』『今夜くらべてみました』『ぐるナイ』『秘密のケンミンSHOW』『東大王クイズ』『スカッとジャパン』『マツコ会議』…

この中に、お子さまに見せても差し支えはないと思う番組はあるでしょうか？

その番組には、心底から笑える要素はございますか？

家族全員が１台のテレビで同じ番組を見ると言う時代は、どこで途切れたのか？

…とアレコレと考えたくなる（ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ…）