第67話 三人目の恋人☆

「ライト殿、駄目。本当に駄目。止めて下さい……」


 とシャニは言いつつキスを止めないんだが。

 ふふ、上手くいったな。

 別にキスすることが目的じゃないぞ。

 彼女自ら自分の壁を破り、俺に歩み寄ってくれたってことだ。

 それにしてもシャニは可愛いな。抵抗しているようで全くしていない。

 もう食べられちゃうんじゃないかってくらいキスされてるんだが。


 ――ツンツンッ


 そして当たってるんだよね。

 彼女も興奮しているのだろう。

 

 でも続きは後でな。

 まずは気持ちを伝えないと。

 シャニの頬に手を置く。


「シャニ、さっきは伝えられなくてごめんな」

「…………?」


 シャニはボーッと俺の顔を見つめる。

 無表情がデフォだからな。

 とりあえず尻尾が動きっぱなしということは喜んでいるということなのだろう。

 俺が想いを伝えられなかったのには理由がある。

 それはシャニの体の特徴についてリディア達がどこまで知っているのか分からなかったのだ。


 今さらだがシャニの股間には俺と同じもの、もしくはそれに近い器官がある。

 俺は別に構わないのだが、いやむしろ大歓迎なのだが、リディア達がシャニを受け入れられるか心配でね。


「リディア達は知ってるのか?」

「ま、まだ言ってません」


 とりあえず話を聞くには一回落ち着いてもらわなくちゃ。

 このままじゃかわいそうだ。

 優しく手を添えて、そして少し手を動かしただけで暖かいものを感じた。


「んっ!? うぅ……」


 シャニはその場にしゃがんでしまい、肩で息をしている。

 

「大丈夫か? すぐに落ち着く。少し休もうか」

「はぁはぁ……。はい」


 いわゆる賢者タイムだ。男は出せば落ち着くからな。

 でも女の子の部分もあるから収まるかは分からないけど。

 でもとりあえず今は小さくなったようだ。

 これなら話が出来そうだな。


 息が整ったところでシャニの横に座る。

 

「シャニ、俺の気持ちは分かっただろ。でも今は言えないんだ。さっきも言ったがリディア達には伝えてないんだろ? 俺と一緒になるってことは彼女達との時間も今まで以上に増えるってことだ」


 裸でいる時間も増える。

 必然的にシャニの秘密も知ることになるだろう。

 これは隠し通せることではない。

 

「ならさ、今言わないとな」

「そうですね。しかしリディア姉達は受け入れてくれるでしょうか?」


 それはリディア達次第だ。

 下手に励ますことは出来ない。

 だが言葉にはしていないが、俺はシャニが好きだ。

 彼女にも幸せになってもらいたい。いや、幸せにしてあげたい。

 約束は出来ないが俺からもリディア達にお願いしてみよう。


「俺もついてる。勇気を出すんだ」

「はい」


 と抑揚の無い声で応える。

 でもかなり緊張しているのが分かる。

 めっちゃ耳と尻尾がしょんぼりしてるし。


 とりあえずシャニを連れて家に戻ることにした。

 リディア達はシャニを見て安心したみたい。


「シャニ、心配したんだから……」

「そうですよ。勝手に出ていって……。大切な妹なんですからね」


 とアーニャはシャニの鼻の頭を「めっ!」って感じで指で突く。

 こういった仕草って可愛いよな。俺も後でしてもらお。


 いやいや。そんな場合ではなかった。

 俺のシャニへの気持ちは決まっている。だが先に進めるかどうかはリディア達が本当のシャニを受け入れられるかどうかにかかっている。


「ふふ、でもこうして戻ってくるということは……」


 とチラッとリディアが俺を見る。

 それなんだけどねぇ。

 仕方ない。俺はシャニの背を優しく押してみた。


(ほら)

(はい……)


 シャニは黙って頷いた。

 そしてリディアとアーニャに話しかける。


「リディア姉、アーニャ姉。話したいこと、そして見てもらいたいことがあります」

「うん! いいよ!」

「ふふ。いい報告が聞けそうです。でも見せたいものって?」


 シャニは俺には見せたくないのだろう。

 二人と一緒に二階へと上がっていった。


 シャニ、頑張れよ。

 勇気を出して本当の自分を受け入れてもらうんだ。

 だが俺の心配を余所に楽しげな大声が聞こえてきた。


「すごーい! 可愛いのがついてる!」

「触ってもいいですか!?」

「駄目です。あぁんっ」


 一瞬で受け入れてくれた。

 間口広いな、あの子達。


 

◇◆◇


 

 ――30分後


 なんか満足げな二人ときっとイタズラされたであろうシャニが降りてきた。

 大丈夫だとは思うが一応聞いておこう。


「あ、あのさ。これでシャニの秘密を知ったわけだ。で、二人はどう思う?」

「可愛いって思いました!」

「私にもついてたらなーって思いました」


 想像したのと違う答えが返ってきた。

 ま、まぁ問題無いということなのだろう。

 それじゃ今度は俺の番だ。

 ちょっとふらつくシャニの前に立つ。


「あのさ、今さらなんだが……。俺の恋人になってくれるかな?」

「はい」


 ――ブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブン!


 すごく喜んでいるようだ。

 そんなシャニを見てリディア達は涙ぐんでいた。


「うぅ、良かったね」

「そうですね。シャニ、みんなで幸せになりましょうね。ではライト様、今夜はシャニに譲りますね」


 いきなり!? 


「い、いやさ。それはシャニの覚悟が決まってからでも」

「出来ています」


 一言だった。

 リディア達は笑顔で再び二階へと消えていく。


「ライト殿。よろしくお願いします」

「あ、あぁ」


 そのまましちゃうことになった。

 まぁ夜も遅いしいいかな。

 さっきはちょっとだけしてみたけど、シャニのような子と本番をするのは初めてだしなぁ。

 どうするのが正解なのだろうか?

 とりあえずリディア達にしているように優しくしてあげよう。

 


◇◆◇



 一言で言おう。

 最高だった。

 いやー! 女の子として気持ち良くなっちゃうと同時にだな! 男の子の部分からも出ちゃうだなんて!

 何が出たのかは秘密だ!

 うーん、癖になりそう。

 どうやら俺は新しい扉を開いてしまったようだ。


「ライ……ト……どのぉ……」

 

 シャニは乱れ過ぎたようで、ほとんど意識が無い。

 ベッドでうつ伏せになったまま俺の名を呟くのがやっとのようだ。


 シャニの背中と尻尾を撫でながら聞いてみた。


「痛くなかったか?」

「幸せでした……。でもまだ足りません……。もう一回お願い……しま……」


 と言ってシャニは眠ってしまった。


 ――ピコーンッ


 おお、この音は久しぶりだな。

 さてどのような内容だろうか?


【シャニが村民から外れ配偶者に変わります】


 残念。レベルアップは無しか。

 まあいいさ。これからはシャニを村民としてではなく恋人として幸せにしてあげないとな。



◇◆◇


☆現在のステータス

名前:前川 来人

年齢:40

種族:ヒューマン

力:120(+20) 魔力:0 

能力:壁レベル3(石)

派生効果①:敷地成長促進

派生効果②:遭難者誘導

派生効果③:感度調整

派生効果④:A/P切り替え

派生効果⑤:モース硬度選択

派生効果⑥:XY軸移動

配偶者:リディア、アーニャ、シャニ


名前:リディア

年齢:???

種族:エルフ

力:70(+20) 魔力:110(+30)

能力:弓術 精霊魔法(敷地内限定)

配偶者満足度:13025/100000


名前:アーニャ

年齢:???

種族:ラミア

力:100(+15) 魔力:0

能力:薬の知識

配偶者満足度:12507/100000


名前:シャニ

年齢:???

種族:コボルト(亜種)

力:80 魔力:25

能力:隠密

配偶者満足度:4587/10000


☆総配偶者満足度:29669/100000

リディア:13025/100000

アーニャ:12507/100000

シャニ:4587/100000


☆総村民数55人

・エルフ:21人

・ラミア:15人

・コボルト:9人

・リザードマン:20人


☆総村民満足:2508/10000


☆現在のラベレ村

・石壁

・敷地面積:8000㎡


☆設備

・村長宅:シャニが住むようになったので三階建てに改装。

・家屋:15棟

・倉庫:4棟

・櫓:8基

・畑:2000㎡

・牧草地:2000㎡

・露天風呂:2つ

・水路

・養殖場

・兵器廠:金剛石の矢と槍


☆生産品

・ナババ:パンの原料。

・ミンゴ:果物。

・ヤマイモ:生食可。ねっとりしてる。

・茶葉:薬の原料。嗜好品としても優秀。

・カエデ:樹液が貴重な甘味となる。

・豆:保存がきく。大豆に近い。

・キャ采:葉野菜。鍋にいれたい味。

・牛乳:地球のものより濃厚。


☆総村民数55人。各仕事の人員配置。

・農業:二割の村民に担当してもらう。雑草の除去、作物の収穫が主な仕事。

・狩猟:一割の村民に担当してもらう。肉はまだ生産出来ないので狩りは継続。

・服飾:一割の村民に担当してもらう。狩りで得た毛皮を服、寝具に加工。

・製造:三割の村民に担当してもらう。食事作り、竹を使った生活用品や家具の生産、武器の生産も含む。

・探索:一割の村民に担当してもらう。森を探索し遭難者を見つける。他に村にとって有効な動植物がいたら取得、または報告してもらう。

・村の整備:一割の村民に担当してもらう。壁の痛み、櫓の補修を見つけ修繕、または報告してもらう。

・牧畜:軌道に乗るまではシャニが一人で担当する。

・養殖などその種族にしか任せられない仕事は要相談。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ここまで読んで頂き誠にありがとうございます!

 お気に召しましたらご評価頂けると喜びます!

 更新速度が上がるかも!? ☆☆☆

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る