いかないで
ヒーローショーで悪役に舞台袖に引っ張られていく自分たちの先生を見て泣き出す子どもたちに、幼さと反対のものをふと感じた。あの歳で、見えなくなったらもう二度と会えなくなるのかもしれないなんて、寂しさを感じられるのか、と。そう思えるほどの想像力が、子どもには既に備わっている。
いや。
考えてみれば赤ん坊の頃から私たちは、揺りかごに一人きりのときに泣き出すことができるのだ。
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