ポエムと呼びたかったショートショートたち
幾兎 遥
ひとはしんだらどうなるの?
赤毛のアンのアニメあたりでそれを知った幼い頃、死んだらせめて、土葬がいいと思っていた。だって自分の身体が燃やされるなんて苦しみなんて絶対嫌だものって。そんな熱い思いをするくらいなら、自分の形を留めたまま土の中に閉じ込められた方がまだマシだった。
その時の私は、土の中にいたっていつかは骨になるということを知らなかった。そして、死というものもまだ、全く理解できていなかったのだろう。死んだら痛みも糞もないというのに。
……いや、果たして本当にそうだろうか。
死んだら本当に、痛みも心も身体の中から消えてしまうのだろうか。
実のところわからない話な気がする。心臓の動いている現世の人間に伝える術がなくなるのは確かだろうけど、ただそれだけで、己が死体の内側じゃこうして文を綴っているのと同じようにいるって可能性も、否定できないじゃないか。熱い。痛い。苦しい。出して、と。
死んだら針山や釜茹での地獄に行くのだと、誰が帰って聞かせたのだろう。死んだら心と身体が分かれて無になるのだと、誰がその身をもって証明したのだろう。
死んだらどうなるかなんて、本当は誰にもわからないのだ。
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