ニュースを見るのがやめられない
日々の報道を追いかけているといろんな情報が出てきていろんな歴史に接触する。そして色々な想像をして未来がどうなるのかを考える。それが止められなくなる。これはある種の強迫観念から動いている。私は、通過する群れの魚(情報)を一匹ずつ生まれや育ちを調べて、この群は総じて何なのかということを知りたいのである。
とにかくシロクロつけられないグレーの世界で白黒どっちに見えるのか主張をしなければならないのが大人だ。そうならなくてはならない。見極めてなくてはならないんだ。そういう難解な問題に対して解を求められる方程式のようなものを探している。
若いのにニュースを見る人はしっかりとした考えを持つ人だという印象を与えるのだろうか。1番恐れているのはテレビからニュースがバーっと流れてきて横にいる知らないおばちゃんから突然される質問、
「貴方はどう思う?」という問である。
後々の対立を危惧して
「さぁ…」と受け流すのがいっぱいいっぱいで、
何も答えられない。
無難に答える術を知らない。
通過し続けるのがブリの群れか、サワラの群れか難しいところ。
「私はブリの群れだと思う。」と言ってしまえば
「私はサワラかと思ったのに……」
「じゃあ適当に捕まえてみて多い方でどうよ。」
とか
「私もブリだと思ったわ、どうしてそう思ったの?」
「取ったら7:3でブリのほうが多かったのでは?しかし、まだ数が足りないし確信が持てない。」
どっちに話が流れるにしろ、魚を取りつづけなければならないというスパイラルである。魚を釣って知りたいことは、どこからどこまでがサワラでブリで、何割以上ならその魚の群れだと断定していいのかということである。
「実はサワラもブリなんだよ」
「俺が釣ったときはサワラが多かったんだけど」「なにこれw、すげーブリの群れなんだけど」
「ブリってサワラと同じらしいで」
「ブリよりアジが食べたい」
「ブリ=サワラ?」
「いや、サケ沢山混じってるわwww」
「↑ブリとサケの違いくらい知ってるわ」
「え、サワラってブリのちっちゃいやつのことじゃないの?ブリ>サワラ」
「正確にはブリ∈サワラですよ」
目まぐるしい変化を迎える世界の中で真実を求め、自分の立場を決めるというのは難しいことである。
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