取引先の応接室には、沢山のトロフィーが飾られていた。

どのトロフィーも、てっぺんには10円玉があしらわれている。

取引先の社長が言った。

「全部コックリさんだよ。こう見えて私、よく優勝するんだ」

社長は10円玉ダコの出来た人差し指を私に見せた。

………

次の日曜に社長とコックリさんをする事が決まった。

接待コックリさんであるから、当然、社長が喜ぶ様に、私が10円玉を動かさなければならない。

悲しいかな、仕事とはこういう事の積み重ねで出来ているのだ。

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