望む朝日

イキシチニサンタマリア

短編

蜂に刺された。スズメバチはこれで2回目だった。アナフィラキシーショック。視界が歪みひどい耳鳴りに襲われた、誰かが私を呼んでいる。ああ、自分もこれで終わりか…

 朝陽が眩しい。母親が学校に遅れると呼んでいた。もう何年になるだろう、私は毎夜自分が死ぬ夢を見る。それは、実感的で抽象的だ。できたことのない彼氏に浮気で刺されたり、階段から滑り落ちたり。考えてしまう、死とはなんだろう。死後、意識はどこへ向かうのだろう。天国があるのであれば行きたい。

地獄。意志があるならば体験もできよう。1番恐ろしいことは、何もないことだ。無。意識も無く無意識が永遠に続く。ならば、私はなんのために生まれるのだろう。意味なく自然現象のように、ただの化学反応に過ぎない人生など無意味だ。そのことが毎夜毎夜脳にチラつく。学校へ行こう、今日も変わらない大切な1日を過ごそう。

 家を出た。いつも待ち合わせている、駅前に向かった。トラックが角を曲がってきた。対向車と衝突した。重く鼓膜が破裂するような音が聞こえた。目の前に、車が転がってきた。自分の左手がちぎれ…

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望む朝日 イキシチニサンタマリア @ikisitinihimiirii

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