第2話 ハンビータウン

躍る少女 戯れる少年

夕凪は煙り グラスの雫水面通して


朝日は反り返り 夕陽が空を舞う

ほっとするひと時は一時の夢心地


恋人たちがレンズを構え 外国人が海辺を走る

ヤシの並木の間から 赤いハイビスカスが海辺に咲く 

繰り返される喉の渇きにはまた 蒸し返される あの微睡の暮れ


思いは思う過去の消える事の無い感情も

こんな時は思いも返らず ただ目の前の陽に感謝


ゆれるゆれる日常はわずかに

あの夕陽に照らされる影のように

そよ風流れる木々の枝葉 小さな蝶々が周りを飛ぶ


少女は去り 少年は道に草  

時間は経ち 円らな瞳が夕焼けに染まる


白い陽の街が 深紅の陽の街へ 

蜃気楼霞む群青の色が海面で夕凪に変わる 


サーファーが波をドライブ 海人は港に船を寄せる

滴る汗は熱で乾き こぼれる声は潮風の彼方

息吹を奏でる今日の日の終わり 静寂漂い水平線が暗闇に沈む


ゆれるゆれる日常はわずかに

あの夕陽に照らされる影のように

そよ風流れる木々の枝葉 小さな蝶々が周りを飛ぶ


ゆれるゆれる日常はわずかに

あの夕陽に照る窓の向こうで

しなやかに垂れるレースの生地 イソヒヨドリが幸せを運ぶ

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