レーザー溶接装置は、まだこの世界には存在しません
俺たちは喫茶店に戻ってきた。
ここからミエルさんに、結果の報告を行う。
「人力レーザー溶接でした」
「よかったわね。
光魔法を覚える理由ができたじゃない」
「はい。
地道に火と氷の魔法を練習してきたこと。
それが、こんな場所につながってくるとは、思っていませんでした」
「それが、人生というものよ。
なので、当然、といえるかもしれないけれど。
私の光魔法の力を使うという選択肢は、除外して考えてちょうだい」
「了解しました。
ただ、ヒントをください。
聞きたいのは、1点だけです。
『光の聖地』とは、どこにあるのですか?」
「ポリンク」
「近場!!」
「早速、行ってみたら?」
「残念ながら、所持金的に厳しいんですよね」
「で、所持金が厳しい理由が、今あなたが持っているアイテムにあるわけね」
「いえ、これは無料でもらいました。
不良品、だったので。
3つもらったので、俺とヒヨリちゃんとモリタさんで1個づつ抱えています」
突然ですが、ここで、クエスチョン。
俺たちがもらった『お土産』とは、いったい何でしょうか?
*****
ここから皆さまがシンキングタイムに入りますので、皆さまは溶接の映像をお楽しみください
*****
「その缶は、何に使うの?」
「植木鉢として使います。
これで、木製の植木鉢が隠れて、
みたいに見せることができます」
というわけで、正解は『ドラム缶』でした。
ただ、厳密には、まだこの世界には『ドラム缶』という言葉は存在しないので、『
で、これがなんで不良品かというと、古いことに加え、輪状にした板の接合部が甘くて、そこから、物や液体が漏れ出しちゃうからでした。
ちなみに、本来のドラム缶には、輪状部に2本の出っ張りが存在していて、そこが、レールの役割をして、転がしやすくなっているそうです。
でも、このドラム缶には、出っ張りは存在しません。
以上、コウキさんからの情報でした。
早速、ドラム缶を観葉植物とドッキング。
ブッピガン。
完了すると、すぐに再び山を登り。
お土産をもらって、即、下山。
またドッキング。
ブッピガン。
・フィカス(大)x2
・ガジュマル(大)x2
・パキラ(大)x2
以上、6個の観葉植物と、ドラム缶がブッピガンされることとなりました。
*****
再びジェルソン近郊まで戻ってきました。
この時点で、夕刻。
1日でフェンス親父と3回、顔を合わせた、ということは。
3回、坂を登ったということを意味していて。
脚の悪いモリタさんには、かなり酷だっただろう。
お疲れ様でした。
おやすみなさい。
・・・
次の日。
またまた、早朝から動きます。
徒歩でジェルソン、家具店、作業場まで移動。
お目当のアイテムが完成していることを確認した。
「ブックシェルフ!」
しかし、この時点で所持金23,750G。
次シーズンの食材費を考慮すると、購入は不可能となります。
で、
「今回は、無料で提供します」
ということになったのである。
「申し訳ないです」
「ガンダルで、釘や工具の購入を手伝ってもらいましたし。
釘や工具を入れるための、
最終的に、この
ウチでも作れないか、検討してみる予定です」
釘、工具類は、ハミルトンでも売ってはいるが。
その質、そしてなによりその値段が、全然違ったのでした。
*****
「なんか、図書館みたいになった!」
ブックシェルフ納入。
そして、即、30冊、本を飾り。
完成したソレを、納入してくれた村人、双子ちゃんも含めて。
みんなで鑑賞会を開催したのでした。
「書籍の
「壁が本の表紙たちで埋められていて、すごく華やかになりましたね」
「本から、歴史を感じるよう、なのです」
「観葉植物とも、いい感じで調和していると思います」
それぞれが、意見を述べ。
最後に、俺が改善点を述べる。
「ダークブラウンの塗料で塗れてたら、最高でした」
しかし、塗料が、もう、底をついてしまっていたのでした。
「ダークブラウンもいいですけど、ホワイトとか。
他の色でも着色できるといいですね」
「でも、この本の表紙は、赤も緑も青もあるのです」
・・・
「ヒヨリおねぇちゃんの衣装も、茶色でした」
・・・
双子ちゃんからの意見で、改めて思う。
「茶色なら、コーヒーでも染色できそうですね」
その意見はモリタさん。
しかし、
「リボンの色は、水色と緑です。
そこで売っていた服には、ピンクのモノもありました。
『色で染める』という技術は、この世界に、すでに存在している。
ということです」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます