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ナルヴィは納得した顔を見せました。
「ふむ。それは面白い作戦だな。しかし、ノルン王国には
「ふふ、この空中要塞にノルン王国軍の注意を引きつけておけばいいじゃないですか?」
「どうすればいいんだ?」
「簡単ですよ。この空中要塞をこの場所に留めておけばいいんですよ。そうすればノルン王国軍の眼はここに集中するはず。その隙に・・・」
「なるほど、さっそく実行に移してくれ!」
「しかしですねぇ、皇子様。私もあの
ナルヴィは姫に殺されたヒルデを思い出しました。
「ふふ、あの弟子のことか? いいぞ、許す。好きにしろ!」
「ありがとうございます!」
ブリュンは振り返り、
「では、行って来ます!」
空中要塞外観。今1つの空飛ぶ物体が空中要塞から飛び立ちました。空飛ぶ鉄の馬と呼ばれてるマシーン。ブリュンが未来から調達してきたマシーンです。今乗ってる人物もブリュン。
「対岸まで行って帰ってきて40分くらいかな? そっからは好きにやらせてもらうわよ、皇子様」
宮殿から見た空中要塞。少し遠くにありますが、巨大なせいか、かなり迫力があります。
宮殿の一室、窓からこれを見ている侍従長とヒャッハーなコマンダーと将軍。将軍は遠眼鏡のような単眼鏡で空中要塞を見てます。
「どうやらあの要塞には小さな飛び道具は積んでないようじゃな」
コマンダーが応えます。
「こうなってくると、この街を吹き飛ばすと言ってた大砲も、本当に積んでるのかどうか、怪しくなってきたな・・・」
侍従長。
「まあ、今はあると仮定した方がよいじゃろう。あれだけのブツを空に飛ばす技術があるんじゃ、いったい何を積んでることやら・・・
やはり今夜、闇に乗じて姫を宮殿の外に逃がすことにしよう!」
コマンダー。
「しかし、無事に脱出させることができるんですか、姫を、この宮殿から? 闇に乗じて脱出させるにしても、この宮殿の周りにはいろんな人がいますよ」
侍従長。
「この国の王室は国民から愛されておる。一般市民は見逃してくれるじゃろう」
侍従長はここで視線をあっちの方に向け、
「しかしじゃ、それでも王室によからぬ感情を抱いてるやつがいるな・・・ 特にウルズ王国とスクルド王国の出身者は何をしてくることやら・・・」
将軍。
「もっと怖いのが、グラニ帝国の間者じゃ。やつら、かなりの数の間者を忍び込ませてるはずじゃ。隙あらば姫の命を狙ってくるじゃろ」
コマンダーは考え込みます。
「う~ん・・・」
と、何かひらめいたようです。
「そうだ!」
コマンダーは侍従長と将軍を見て、
「国境警備隊を呼びましょう!」
国境警備隊とは元々山賊だった連中。この国の軍隊に平らげられ、現場処刑されるはずでしたが、先代の王様に国境警備隊になるという条件で赦免されてました。国旗用警備隊とは名ばかりの愚連隊です。ちなみに、このヒャッハーなコマンダーは、この愚連隊の棟梁格でした。
侍従長と将軍はそんな愚連隊を宮殿に招き入れると聞いて芳しくない顔をしますが、コマンダー自身はいいアイデアが浮かんだと思ったらしく、ほくそ笑んでます。
「伝書鳩を使って呼んできますよ!」
と言って、ドアを開け、部屋を出て行きました。侍従長と将軍は顔を見合わせました。お互い肩をすぼめ、渋い顔をしてます。
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