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 準一が姫に質問してます。

「けど、オレもマナの力を持ってるんでしょ?」

 ここで準一はブリュンとヒルデを思い浮かべました。

「そう言えばグラニ帝国に雇われていた2人の魔女も持ってたような・・・」

「ええ、あの2人も持ってたわね。

 正直なこと言うと、私以外にもマナの力を持ってる人が何人かいるのよ、この世界には」

「ええ?・・・」

「マナの力を持ってるかどうか判別できる人は、マナの力をある一定以上持ってる人だけ。もちろん私は判別できるわよ」

 ちなみに、準一もマナの力を持ってますが、マナの力を持ってる人のそれを判別する能力はないようです。

 姫の話が続きます。

「実のことを言うと、マナの力を持ってる人と今まで何回もすれ違ってんのよ、私」

「へ~・・・ もし、マナの力を持ってる人とすれ違ったら、どうすんの?」

「ノルン王国基本法によると、私は国王としてその人と決闘しないといけないみたい」

「ええ~?」

「でも、痛いのは嫌だから、私はやり過ごしてきた。たぶん歴代の王様も無視してきたんだと思う。それに相手が持ってるマナの力は、私が持ってるマナの力の半分以下。決闘したって結果は見えてるわ。おまけに、私以外のマナの力の所有者は、自分がマナの力を持ってることに気づいてないみたい。

 そう言えば昨日、28人の娼婦と会ったわよね」

「うん」

「その中にも1人、マナの力を持った人がいたわよ」

「ええ?・・・」

「その人も自分にマナの力があることに気づいてないんじゃないかな?・・・」

「今までマナの力を持ってることに気づいてる人はいたの?」

「う~ん・・・ あ、1人いたっけ。おじいさまがいた時代、おじいさまはものすごく強いマナの力を持ったおばあさんを見つけたことがあったの」

「ええ、そんなに強いマナの力を持ってる人がノルン王国にいたのに、先代の王様はそれに気づかなかったの、ぜんぜん?」

「ううん、そのおばあさんは港に入ったばかりの客船の中にいたんだ」

「旅行者か・・・」

「ふふ、そうね。おじいさまはその力を感じ取ると、慌てて港までそのおばあさんを出迎えに行ったそうよ」

「そのおばあさんと決闘したの?」

「あはは、まさかあ・・・ 相手はおばあさんよ。決闘するはずないじゃん。逆におじいさまはそのおばあさんをレストランの貴賓室に招いて、食事したそうよ」

「へ~ 先代の王様は気に行ったんだ、そのおばあさんを」

「ふふ、そうね」

「そのおばあさん、何か特徴があったの? 能力とか?」

「誰が誰に輪廻転生したのか見えたそうよ」

「輪廻転生?」

「おじいさまは自分の母親が誰に輪廻転生したのか、訊いたそうよ」

「先代の王様の母親てことは、2代前の王様?・・・」

「ふふ、そうね。私の曽祖母ひいおばあちゃん。実は曽祖母ひいおばあちゃんはすでに輪廻転生してたそうよ。

 あ、そうだ。今からその人に会いに行かない?」

 それを聞いて準一は焦ります。

「ええ~ DVDは?」

「あは、そっか。今日はDVDを見る日だったっけ。じゃ、DVDを見たら会いに行きましょ」

「うん」

 準一は一安心。なんとしても姫にパトロール魔女ジェニーを見て欲しかったのです。ここは姫が気を使ったようです。こうして2人はパトロール魔女ジェニーの第2話を視聴しました。

 けど、準一も姫に気を使わせちゃったかなあと、なんとなく気になってました。そのせいか第2話が終わると、

「今日はここまでにしようか?」

 と笑顔で発言。姫はそれを聞いてびっくり。

「ええ、いいの?」

「うん。オレもその人に会いたくなったみたい」

 姫ははにかみ、

「ありがと」

 2人は箒に乗って舞い上がりました。

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