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 けど、このまま黙っててはいけないと判断し、準一は質問してみることにしました。

「君、まだ12歳だろ?」

「うん」

「12歳じゃ、セックスはまだ早過ぎるんじゃないの?」

「え、なんで? 私のお母さんは12歳でこの国にお嫁に来たんだよ。13歳で妊娠して、14歳で私を産んだ。早過ぎることなんか絶対ないよ!」

 うわっ、そんな身近な人が12歳で結婚してたのかよ・・・

 準一は焦ります。準一もロ〇○ンです。12歳の女の子がセックスを要求してきたら、当然乗ります。けど、相手は女王様。あまりにも身分が違い過ぎます。そんなことしたらきっと・・・

 準一の脳裏に巨漢のコマンダーの姿が浮かび上がってきました。準一は苦笑して思いました。

「絶対あの人に殺されるな・・・」

 ともかくここはなんとか誤魔化さないと・・・ 準一は口を開きました。

「姫、オレの世界じゃ、12歳の女の子とセックスしたら、どんな理由があっても確実に逮捕されちゃうんだ」

「え、どうして?」

「そういうルールだから」

「え~・・・」

「オレは向こうの世界の人間だ。当然オレの世界のルールを守らないと・・・」

「あなたの世界じゃ、いくつになったらセックスしていいの?」

 ここまで緊張状態だった準一の頭の中は、この姫の質問でついにパニック状態になりした。

 あれ、いくつだっけ? 13歳だっけ? 18歳だっけ?・・・ いや、女の子は16歳から結婚できるから16? で、でも、16歳で援交えんこーしたら絶対逮捕だよな・・・

 あ~、もう・・・ 準一はとりあえず口を開きました。

「18歳だよ!」

「ええ、18? 6年後? 私、そんなに待てないよ! 今すぐ結婚しようよ。結婚できないのなら、セックスだけでもいいから。私、どうしてもあなたの赤ちゃんを産みたいんだ!」

 準一は完全に困ってしまいました。そのときです。姫が、

「何、あの煙!?」

 と大声を出しました。準一が前方を見ると、遥か向こうに煙が立ち上ってました。姫。

「宮殿の方?・・・」

 準一は慌ててトランシーバーを握りました。

「侍従長! 侍従長!」

 しかし、返事がありません。準一は焦ります。

「ちっ、何か起きてなきゃいいが・・・」

「急ぎましょ!」

「OK!」

 2人が乗る箒が急加速しました。


 宮殿のテラスは阿鼻叫喚な状態になってました。たくさんの兵隊が血だらけになって倒れてるのです。今新たに3人の兵隊が駆け付け、弓に矢をつがえました。

「撃てーっ!」

 放たれる弓。その弓が上空に浮かぶ物体に向かって行きます。この時代には似付かない未来的デザインのマシーン。跨ってるのはブリュン。矢がブリュンに当たる寸前、光の障壁が現れ、すべての矢を弾きました。

 マシーンはオーバーテクノロジーですが、光の障壁は姫の防御魔法スヴェルクーゲルの光の球体と同じもののようです。つまり、魔法。

「そんなもの私に効くはずがないじゃん。ほら、お返しだ!」

 ブリュンは小銃よりも大きな銃器を両手に持っており、それを撃ちました。放たれた銃弾・・・ いや、これは光弾です。この光弾によって3人の兵はあっという間に倒されてしまいました。

 別の兵が槍を投げました。

「矢がダメなら、鑓だ!」

 その鑓の行く先はヒルドが跨った上空に浮いてるマシーン。色違いですが、ブリュンが乗ってるマシーンとまったく同じマシーンです。こちらのマシーンにも光の障壁が出現し、鑓は弾き飛ばされました。

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