第166話◆日本の冬を考える
友達が言った。
「冬はイヤだね、寒くて体は冷えるし、風邪はひくし、鼻水は出るし、服はかさ張って、洗濯してもなかなか乾かない、野菜は高くなるし、いい事無い」
「そうね、寒くて動けないから、太ってイヤだわ」
てな話をした事がある。
冬は金がかかる。
暖房がかかせず、湯船にお湯を溜めなくてはいけないし、暖かい料理を用意する必要があるし、風邪をひけば薬代のみならず、ティッシュ代もかかる。今は年中マスクは手放せないけれど。
電車も混むし、雪が降れば歩きにくくなるし、景色以外に良い事は無い。
しかし、科学や技術の進歩は北から始まっている。
寒いから暖かくするにはどうしたら良いのか?
食料が不足するからどう工夫すれば良いのか?
厳しい環境で生き抜くにはどうしたら良いのか! ヨーロッパ人は北方で生きる為に、自らの身体を大きく白く変化させた。
悪い条件だからこそ、より良い環境へと変化させる為に努力をする、それが寒い地域に住む人々の知識と発展となる。
発展途上国は暑い地域に多い。一年中花が咲き、果実が実る。努力しなくてもそこに食べ物があり、飢える事は無い。
東ティモールの住民の6割は失業者だそうだ。しかし、食べ物はそこら中にあるから、生きる事に困る事は無く、失業者は朝からブラブラしているそうだ。
ベトナムの飲食店先に朝から座っている人達は失業者だそうだ。
タイでビニール袋を手に持って歩いている人はホームレスだそうだ。袋の中身はカレー、公園で寝泊まりしているのだそうだ。
人類発祥の地で長い歴史のあるアフリカ大陸は昔と変わらず後進国で、不安定。移民問題は記憶に新しく、モロッコへ行った時、物乞いで食いつなぎながらジブラルタル海峡を渡ってヨーロッパへ行く機会を狙っている人達がたくさんいた。
日本人は努力する民族だと思う。寒いがゆえ、不便がゆえ、より良く過ごす為、知恵を絞り、工夫し、こたつ、どてら、湯たんぽ、カイロ、火鉢、囲炉裏、鍋料理…いにしえの先人による賜物。
いかに快適に冬を過ごせるか思案中、安く過ごせればもっと良い。
冬があるからこそ、花々が芽吹く春に喜びを感じられる。
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