はなみずき

おおくまとみこ

三毛のみいちゃん

 週末に相方とウォーキングをするのが日課となっている。ウォーキングコースに50%の確率で出会うのが近所のお宅で飼われている三毛猫のみいちゃん。特に知り合いのお宅でもないので、当然、みいちゃんは勝手に名付けた名前である。出窓にピンクのネコサイズベットが置いてあり、朝の光を浴びて毛づくろいをするみいちゃんは、なんと可愛いことか。華奢な体にピンクの肉球。いかにも女の子って感じの姿に一目ぼれ。みいちゃんを見たいがためにそのコースを選ぶのだが、相手はネコなので時間帯によっては空のネコベットが寂しく佇んでいることもある。そんな日はウォーキングも気合いが入らない。しかも自宅を出て数分で到着する場所なので、みいちゃん不在の日はしょっぱなから出鼻をくじかれた感じになる。そんな日は帰りもわざわざみいちゃん宅によって存在を確認してから帰る。

 この私のネコ好きは、相方の並々ならぬネコへの愛情からきている。不思議なもので、昔はネコ好きではなかったのだが、毎日ネコを見ていると可愛く思えてくるのだ。0.1トンを超える体重で白髪交じりのおっさんである相方は、普段は低音の渋い声でまじめそうに見えるが、ネコを見ると「にゃー、にゃー」とどっから声が出てるのかと思うような可愛らしい仕草をする。きっとこの人の前世はネコに違いない。猫カフェに行けば、一目を憚らずネコにスリスリ。ネコ語しか話さなくなる。時間制の猫カフェで、制限時間が近づくと「キジトラちゃんがすり寄って離れないから延長しよう」と言い出す始末。気持ちはわかるが、おっさんが言うとちょっとキモイ。相方のダイエットで始めたウォーキング。最初は続くかなと不安があったが、三毛のみいちゃんのおかげで相方は10キロのダイエットに成功した。まだ道のり半ばだが、みいちゃんには感謝。ダイエットはしばらく続くので、みいちゃんには長生きしてほしいものである。

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