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梶先生は若いし人当たりもいいから、当然のごとく人気がある。


一年生のときは友達と一緒にバレンタインのチョコを渡した。”好きです”というメッセージカード付きだ。受け取ってもらえたけど、ホワイトデーのお返しはなかった。


二年生のときも物理は梶先生が担当だった。


相変わらず先生にまとわりついて好きだ好きだとアピールしていたけれど相手にされず。もちろんこの年のバレンタインも渡したけど結果は去年と同じ。だけど積極的に絡みついたせいなのか、顔は覚えてもらったしいろいろ話をするようにはなれた。


そして三年生になった今。


梶先生に近付きたいという邪な考えのみで理系を選択した私は見事担任をもぎ取ったわけなんだけど、日々の授業に頭を抱えている。ついていくのが精一杯。


あー、文理の選択間違ったかなぁなんてぼんやり思っていた。

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