第一章 彷徨える魂


霊は、春夏秋冬、関係なく存在する。朝昼夜も関係ない。そして、霊も普通に生活をしているのだという。

長い髪の血みどろの女が.........なんて、ほとんどなく、この世に存在する人々と変わらない生活を送っているのだ。


それは、この世に未練があるからなのか?恨みなのか?それとも、自分が死んだことに気付いていないのか?


そんな霊の存在が視えてしまう少年がいた。


彼の名は、上城 秋彦。


朝の日差しがカーテンの隙間から差し込み、ベッドで寝ている秋彦の顔を照らす。


うっすらと目を開け、上体を起こした秋彦は、まだ眠そうに欠伸をすると、両手をグッと上に伸びをする。


机の上に置いたスマホを手に取り、寝ぼけ眼で画面を見た秋彦は、一件のLINEが届いているのに気付き、開く。


『 恨みを晴らして下さい。二年A組、田中 雄一郎が許せません。』


しばらく画面を無表情で見ていたが、秋彦は、ベッドからおり、窓辺に立つと、カーテンを勢いよく開けた。


「地獄少女か…って。」


誰にツッコミを入れるでもなく、秋彦は、呟くと、眩しく輝く太陽を見上げた。


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