へい王様、依頼受けに来たよ
「すみません、依頼を受けに来たんですけど」
シェーラの中心部に位置するお城にやってきた私たちは、門の前に立つ衛兵さんに声をかける。
「どちらからお越しですか?」
「エリーズからです」
「パーティーの皆様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
「アヤ、イオ、カロン、シュミカの4人です」
極めて事務的な質問にいくつか答える。
声からして女性だろうか。
ん?
なんかこの衛兵さん、急に小難しい顔になったぞ。
なんだろ。
「もしかして、ギルドから依頼受付の連絡がまだでしたか?」
「あ、いえ。きちんと書簡は届いているのですが・・・」
ん?
ならなんだろ。
「もしかして貴女様は、『
ワォ。
昔の二つ名だなんてよく知ってるなこの人。
「人違いじゃない…?私はただのパン屋さんだよ」
「今は元勇者を名乗っていらっしゃるとか。何か特殊な事情がおありなのですよね?」
私の適当な答えなんて耳をかさず、衛兵さんは言葉を続ける。
なんかこの感じ、どっかで?
「アヤ様が世間から不遇な扱いを受けていることも知っています。ですが、私はアヤ様が噂されるようなお方では無いことをわかっていますから」
「それってどう——」
「ではどうぞ。王のもとへ案内いたします」
私が最後まで言い切る前に、衛兵さんはお城の門を開けて私たちを先導する。
この人に私、あったことある?の?
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