第12話 折れたギター
アスファルトの朝焼け
背中越しに見つめて
サンダルの小石を
振り落として歩く
あのコがいるんじゃ
かないっこないさね
あたしには無理さ
どう踏ん張ってもね
おかしいね
晴れてるって言うのに
雨粒が頬をうつ
乾いた西風が
あたしの髪を濡らす
傘のない街角
ひとりぼっちのあたしには
お似合いかもね
鼻歌を唄いながら
歩いて行くのさ
折れたギターを
背負いながらね
不協和音を
奏でながらね
誰にも聞こえないように
ハーモニカでも吹こうか
おとぎ話を
語るようにね
届けば良いな
あんたの心に
届かないかな?
あの子のハートに
意地悪かもね
これが最後の
あたしのわがまま
摩天楼の砂漠に
虚しく響くメロディー
ガラス張りのショーウィンドウに
映り込むあたしの姿
みっともなったら
ありゃしないね
まあいいか
誰も見ちゃいないさ
一番見られたくないのは
あんただからね
センチメンタル・グッバイ 駿 銘華 @may_2018
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