センチメンタル・グッバイ
駿 銘華
第1話 今日は朝まで
そうさ
オレの独り言さ
ここで待ってるって言ったのは
君も
聞こえないフリしてたんだろ?
でも知ってるよ
本当は聞いててくれた事をね
いいのさ
気にしないでおくれ
俺のただのわがままさ
ただこのカウンターで
フォアローゼスをクラッシュアイスで
マスター相手に飲んでるだけさ
時々ドアのベルが鳴ると
つい振り向いてしまうのは
俺の悪い癖さ
まあ、なんだかんだ言ってさ
君の姿を
期待してしまうんだけどさ
いいよ
わかってるんだ
それが君じゃないってことは
マスター、おかわり!
今日は朝まで
ボトルを飲み干してやるさ
そして俺がこのカウンターで
浅い眠りにつく頃に
君が現れる夢を見るのさ
来てくれたんだね
嬉しいよ
今日は君に
話したいことが
たくさんあるんだ
聞いてくれるかい?
この年寄りの戯言を
そうかい
聞いてくれるのかい
相変わらず優しいんだね
君って人は
そうして俺は目を覚ます
マスター、お勘定!
え?
もう済んでるって?
誰が払ったんだい?
そうか、
あれは夢じゃなかったのか
いや、そんなはずはないだろ
だって君は
OKって言ってくれたんだから
そんなはずないだろ?
でもありがとう
いい夢見させてくれて
明日もここで待ってるよ
この飲んだくれの俺が
次の夢を見るまでさ
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