日記

@chiro_y

書き出し

夏の始まり、昨年8月の頭に友人が亡くなった。


俺がその報せを聞いたのは、夜勤から帰ってきたら同じ部活の奴らとゲームをする約束をしていたので、夜勤が終わり、帰宅してゲームをしていた友人たちと合流すると二人いた内の一人が、話がある。と言った。もう一人の友人も俺が帰ってくるのを待っていたらしく、話の内容は知らされていなかった。


話がある。と言われて、話し方や、雰囲気から良い話ではないのは予想は出来ていた。とはいえ、まさか友人が亡くなったなんて言われるとは予想出来てなかった。


友人の口からその言葉を聞いた時は、何かの冗談かと思った。ドッキリにしては手が込んでるな、とかそんな事を考えていた気がする。


次の日には、今度葬式があるから来られるか。と連絡が来た。冗談でも、ドッキリでもなく、それが事実なんだと突きつけられた。


それでも、心のどこかでは納得していなくて、もう友人がこの世に居ないという事も全然実感出来なかった。少し前まで、一緒にゲームをして遊んでいたし、LINEだってしていた。実は、まだ生きているんじゃないかとすら思っていた。


勿論そんな事はなかった。斎場に着くと、とても静かだった。俺はこの瞬間に全てを理解した。友人がもうこの世には居なくて、もう一度話す事も出来ない事を理解した。


友人が入っている棺に花を入れる際に、最後に顔を見ることができた。感染症が流行っていたこともあり、実際に顔を見るのは半年ぶりだった。何も変わってない。違うのは一つだけだった。一番大事な一つだけが無かった。


棺に花をいれ、ご両親と挨拶をして、霊柩車に乗り出ていく所まで全て鮮明に覚えてる。周りの人たちの泣いている声や表情は、今でも容易く思い出すことが出来る。




これから、そんな最悪な夏の始まりまでを日記のように綴っていきたいと思う。









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