プロローグ

僕はとある高校に通う高校2年生。

何か変なことが起きるわけでもなく、ただこの時を生きているだけの男子高校生だ。

名前は早川日向と言って少し中性的な名前であったので中学生の時はよく揶揄われていた。



高校生になってからは特に揶揄われることもなくなっていき、自分が目立つような事もなく(?)、少しずつ退屈な日常になっていった。



そんなある日の帰り道、友人で学校屈指の変わり者、女装男子の田端優希がこんなことを言ってきた。

「君、女の子になりたいって思わない?」と冗談っぽく言ってきたので僕は少し考えて

「なれるもんならなってみたいな」と若干笑いながら返した。

「ってか君ってなんだよ君って」と笑っていた。この話題はこれ以上広がらなかった。

その後はなんの変哲もない普通の話をしながら帰った。



家に帰ってから少しして、ベッドに寝転んでついさっきの話を思い出していた。

「まぁ、本当になれるんだったらなってみたいよなぁ...」なんて考えていたら眠っていた。



朝起きたら…なんて事はないか…と思いつつ目を擦り一階へ降りる。

(心なしか身長が低くなったような…なんてことはないか!)なんて考えながら下に降りた。

「おはよ〜」と僕が言うと洗濯を干しながら婆ちゃんが挨拶を返してくれた。これが僕のテンプレートな日常だ。母は朝早いのでいつも僕が起きる時間より早く出ているからいないし…父は…そもそもいないし…唯一の婆。こうしてまた僕の日常が始まる。



…と思っていたのだが、どうもそうはいかないらしい。何故か婆ちゃんがすごい顔でこっちを見ているのだ。(あー僕なんかやっちゃいましたかー)なんて思ってたら

「アンタどうしたんかね!なんでそんな女の子みたいになってんのよ!女装趣味にでも目覚めたんかね!」なんて言われてドキッとした。僕はすぐさま洗面台へ行き鏡を見た。

「あぁ…あぁぁぁああ!本当に…女の子に…なってるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」

僕は真っ先にパンツの下を確認した。

「ない…ない…ないぞ…ないぞぉぉぉぉぉ!!!」

僕は本当に女の子になっていたのだった。

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