#10 花もいいけどフルーツもね

 ハミングタウンは今、ガーデニングが大流行。

「いろんなフルーツがいっぱい!」

「おいしそう!」

それだけではない。特産品のブドウ以外にもフルーツの木がいっぱい植えられてきたのだ。

「これは、リンゴかな?」

「緑のリンゴに似ているけど、ナシだわ!」

「ナシは、中国を原産とし日本の本州、四国、九州、中国や朝鮮ちょうせん半島はんとう台湾たいわんとうに生育する野生種ヤマナシを基本種とする栽培さいばい品種群ひんしゅぐんのことである。高さ十五メートルほどの落葉高木である。葉は長さ十二センチメートル程の卵形で、縁に芒状すすきじょうきょがある。花期は四月頃で、葉の展開とともに五枚の白い花弁はなびらからなる花を付ける。八月下旬から十一月頃にかけて、黄褐色おうかっしょくまたは黄緑色でリンゴに似た直径十– 十八センチメートル程度の球形の果実がなり、食用とされる。果肉は白色で、甘く果汁が多い。リンゴやカキと同様、しりの方が、あまみが強く、一方で芯の部分は酸味さんみが強いためあまり美味しくない。しゃりしゃりとした独特の食感がナシの特徴とくちょうだが、これはいし細胞さいぼうと呼ばれるものによる。石細胞とは、ペントサンやリグニンという物質が果肉に蓄積ちくせきすることで細胞壁さいぼうへきあつくなったものである。洋なしは和なしよりも石細胞の量が少ないために、洋梨ようなしと和梨とでは食感に大きな差が生じる。野生のものは直径がおおむね二センチメートル程度と小さく、果肉がかたく味もっぱいため、あまり食用には向かない。ヤマナシは人里付近にしか自生しておらず、本来日本になかった種が、栽培されていたものが広まったと考えられている。なお、日本に原生するナシ属にはヤマナシの他にもミチノクナシ、アオナシ、マメナシがある」

チララとコロンはナシを拾い、

「真っ赤な双子の実ということは…」

「サクランボだわ!」

「サクランボは、木を桜桃おうとう、果実をサクランボと呼び分ける場合もある。生産者は桜桃と呼ぶことが多く、商品化され店頭に並んだものはサクランボと呼ばれる。サクランボは、さくらの実という意味の桜の坊ののが撥音便はつおんびんとなり、語末が短母音化したと考えられている。花を鑑賞かんしょうする品種のサクラでは、実は大きくならない。果樹であるミザクラには東洋系とヨーロッパ系とがあり、日本で栽培される大半はヨーロッパ系である。品種数は非常に多く線種をえるとされている。果実は丸みを帯びた赤い実が多く、中に種子が一つある核果類に分類される。品種によって黄白色や葡萄ぶどうの巨峰のように赤黒い色で紫がかったものもある。生食用にされるのは甘果桜桃の果実であり、日本で食されるサクランボもこれに属する。その他調理用には酸味が強い酸果桜桃の果実が使われる。殆どの甘果桜桃は自家不和合性があり、他家たけ受粉じゅふんが必要である。受粉には最低限自家不和合性遺伝子型が異なる必要があり、異なる品種なら何でも良いというわけではない。ごくわずかだが自家結実する品種もある。一方、酸果桜桃は全ての品種に自家和合性が有る。一般には初夏の味覚であり、サクランボや桜の実は夏の季語であるが、近年では温室栽培により一月初旬の出荷しゅっかも行われている。正月の初出荷では贈答用ぞうとうようとして約三十粒程度が入った三百グラム詰めで三万円から五万円程度で取り引きされ、赤い宝石ほうせきと呼ばれることがある」

ヒビキとサクラは、サクランボの実を拾った。

「食料にストックしておこう!」

「そうだね!」

ヒビキたちは、フルーツを食料として確保した。

 一方その頃、

「もっといっぱい食べたい!」

「なら、レストランやカフェを作ろう!」

「そうだね!」

「賛成!」

フルーツだけでは物足りないと感じたハミングタウンの住民たちは、行動を起こしたのであった。

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