第105話 ハトはベリーを愛でる

 「ねえ、町はずれの森へ行ってみて!ベリーが生いしげっているわ!」

ハミングタウンであかほっぺの話を聞いたヒビキたちは、町はずれの森へと行ってみる。

「これは…」

「ラズベリーだ!」

「ラズベリーは、分類学的には亜属あぞく Idaeobatus のブラックベリーと並ぶ栽培さいばい品種群ひんしゅぐんに相当する。フランボワーズとも呼ぶ。単独でラズベリーを意味した古い方言raspにberryを加えた語である。ヨーロッパではヨーロッパ産のラズベリーであるヨーロッパキイチゴを意味することが多い」

ヒビキたちは、ラズベリーの木を発見した。

 すると、

「誰か私を助けてください…」

ハトがマンドラゴラのモンスターにおそわれている光景を目撃もくげきした。

「マンドラゴラは、くきはなく、つり鐘状がねじょう花弁はなびらと赤い果実をつける。古くから薬草として用いられたが、魔術まじゅつ錬金術れんきんじゅつの原料として登場する。根茎が幾枝にも分かれ、個体によっては人型に似る。幻覚げんかく幻聴げんちょうを伴い時には死に至る神経毒しんけいどくが根にふくまれる。人のように動き、引きくと悲鳴を上げて、まともに聞いた人間は発狂はっきょうして死んでしまうという伝説がある。根茎の奇怪きかいな形状と劇的な効能から、中世ヨーロッパを中心に、上記の伝説がつけ加えられ、魔術や錬金術を元にした作品中に、悲鳴を上げる植物としてしばしば登場する。絞首刑こうしゅけいになった受刑者の男性が激痛げきつうから射精しゃせいした精液から生まれたという伝承もあり、形状が男性器を彷彿ほうふつとさせる。またこの植物のヘブライ語ドゥダイームは、女性からのあいを指すヘブライ語ドードと関連すると考えられ、多産の象徴しょうちょうと見られた。南方熊楠なんぽうくまぐすは、周密などの書いた中国の文献ぶんけんに登場する押不蘆おしふあしなる植物が、麻酔ますいの効果らしき描写びょうしゃ、犬によって抜くなどマンドレイクと類似している点、ペルシャ語ではマンドレイクを指してヤブルーと言っている、また、パレスチナ辺でヤブローチャクと言っている点から、これはおそらく宋代末期しゅだいまっきから漢代初期にかけての期間に、アラビア半島から伝播でんぱしたマンドラゴラに関する記述であると指摘し、その自生地がメディナであると想定した文を発表した。古代ギリシャでは愛のリンゴと呼ばれ、ウェヌスへささげられた。また、ウェヌス神話における黄金のリンゴがマンドレイクであるとする説もある」

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、マンドラゴラのモンスターにとらわれたハトの救出作戦が始まった。

「私に任せて!」

サクラは、ルビーのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それをモンスターに向けてると、

「リボンチェーン!」

モンスターはラビカの魔法によって拘束こうそく(された。

「俺も力になってみせる!」

アラシは、ダイヤモンドのマジカルジュエルを魔法の筆にセット。それをモンスターに向けて振ると、

「マーブルスパーク!」

バニラとココアの魔法によって、モンスターの撃退に成功した。

「ハト目には世界では約四十二属二百九十種あり、そのうち日本の在来種は、カラスバト属、キジバト属、ベニバト属、キンバト属、アオバト属の五属十三種があげられる。 このうち、リュウキュウカラスバトとオガサワラカラスバトの二種は、絶滅ぜつめつしたと考えられていたが、近年、DNA調査により亜種がいくつかの諸島部しょとうぶで生存していることが確認された。なお、カワラバトは、千五百年程前に日本に渡来とらいした外来種であるとともに、五千年以上前より世界各地で家禽化かきんかされ広まった飼養しよう品種ひんしゅであるため、学術的には日本ネイティブな在来種ではない。このため、現在でも野鳥とみなされないことがある。また、ジュズカケバトについては、広義にはシラコバトのうち飼養品種となったものとされるため、リストからははぶかれている。ジュズカケバトの白色変種であるぎんはとも同様である」

「助けてくださり、ありがとうございます。私の名前はフランソワと申します」

フランソワはヒビキたちに挨拶(あいさつ)すると、

「これは、お礼です」

「ブルーベリーだ!」

「ブルーベリーは、落葉または半常緑性であり、寒い地方では冬季に葉を落とすが、温暖な地では葉が残る。葉は紅葉して美しい。栽培品種の成木の樹高は二メートルである。春に白またはピンク色のドウダンツツジに似た釣鐘状の花をかせ、花後に一センチメートルほどのあお紫色むらさきいろの小果実が生る。北米大陸でのみ栽培される野生種に近い品種は数十センチメートル程度の低木である。果実は北アメリカでは古くから食用とされてきたが、二十世紀に入り果樹としての品種改良が進み、ハイブッシュ系、ラビットアイ系、ハーフハイブッシュ系、ローブッシュ系の交配により多くの品種が作出された。ブルーベリーは六系統あるが食用として重要なのは三系統である。細かい品種は数百種にも及ぶ」

「ぜひ、料理にも使ってください」

「ありがとう!」

と、ブルーベリーをプレゼントした。

 一方その頃、トリップ号では、

「ぐははははははっ!」

ブリーフィングルームに映し出された写真に、魔王の姿があった。

「ついに空の国に魔王が…」

ゼルコバ博士は危機感をつのらせ、

「場所は、ハワイ!」

「ハワイは、州都はオアフ島のホノルル市である。アメリカ合衆国五十州の中で最後に加盟かめいした州である。漢字では布哇はわいと書く。海域として定められたミクロネシアの北端ほくたんでもある。ハワイ島、マウイ島、オアフ島、カウアイ島、モロカイ島、ラナイ島、ニイハウ島、カホオラウェ島の八つの島と百以上の小島からなるハワイ諸島のうち、ミッドウェー環礁かんしょうを除いたすべての島が、ハワイ州に属している。北西ハワイ諸島の北西端からハワイ諸島の南東端のハワイ島まで、全長千五百マイルにわたっている。州全体が島だけで構成されるアメリカ合衆国で唯一の州である。アメリカ合衆国本土の南西、日本の南東、オーストラリアの北東と、太平洋の中央に位置し、地理的にも民族的にも近いポリネシアでは最も北にある列島で構成されている。その自然の多様な景観、暖かい熱帯性気候、豊富な公共の海浜と大洋に取り囲まれていること、および活火山の活動があることで、観光客、サーファー、生物学者、火山学者などに人気のある目的地になっている。日本で最も人気な海外リゾート地の一つ。独特の文化がある他に太平洋の中心にあることで、北アメリカやアジアの影響も多く受けている。百三十万人を超える人口のほか、常に観光客やアメリカ軍軍事関係者が滞在している」

「七つ目のクリスタルのヒントになりそう!」

バニラとココアは、次のクリスタルの情報を示したのであった。

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