第7章

第101話 みなさん、よろしく!

 ヒビキたちを乗せたトリップ号は、ハミングタウンにもどってきた。

「ただいま!」

「おかえりなさい」

そこには、住民たちが待っていた。

「実は、みんなに紹介したい人がいてね…」

真田さなだあらしだ。よろしく」

すると、アラシは住民たちに挨拶あいさつした。

「ハミングタウンにも新しい住民たちが居住してきて、ほんとにうれしく思うのじゃ!」

「これからも、よろしくお願いいたします」

「僕たちも、世界の平和を守るために頑張がんばろう!」

こうして、ヒビキたちは決意を新たにした。

 その後、

「ここが、ハミングタウンの役場なのじゃ!」

カメじいは、アラシのためにハミングタウンを案内していた。

「カメじいは、ハミングタウンの町長であるウミガメで、街のリーダー的存在だ」

「ウミガメは、現生種はウミガメ科とオサガメ科の二科・六属・七種が知られる。寒帯を除く全世界の海洋に分布する。アカウミガメは温帯から亜熱帯あねったい、アオウミガメやタイマイは熱帯から亜熱帯、ヒメウミガメは熱帯の海域に見られる。また、オサガメは寒帯を除く外洋域、ケンプヒメウミガメは西部太平洋、ヒラタウミガメはオーストラリア北部海域に見られる。白亜紀においては一部を除いて外洋を回遊することはなく、各地で多種多様なウミガメが繁栄はんえいしていた。四肢ししは上下に平たく、特に前脚まえあしは長大である。泳ぐときは前脚をかいのように使って水をき、後脚でかじをとる。海中を羽ばたくように泳ぐ姿は優雅ゆうがにも見えるが、敵からげる際などはかなりの速度で泳ぐ。こうは上下に平たく、後方に向かってすぼむ水滴形すいてきがた、もしくはハート形をしている。甲の表面は大多数のカメと同様どうよう堅固けんごな甲板におおわれるが、ウミガメ科とは別グループのオサガメのみかたい甲板はなく皮膚ひふで覆われている。カメとしては大型である。最小種のヒメウミガメでも成体になれば甲長六十五センチメートルとなる。最大種はオサガメで甲長百四十五センチメートルである。化石種では中生代白亜紀の地層に生息したアーケロン Archelon spp.、新生代始新世のエオスファルギスなど、甲長二メートルをすものが多数生息していた。食道内側の上皮組織には棘状とげじょうの角質突起が胃の方に向かって密に並び、これにより潜水せんすい浮上ふじょうして胃の内外に急な気圧差が生じても食物を逆流させずへ運び、食物の余分な水分を排出する働きがあると考えられている。基本的に生涯しょうがいを海中で過ごしメスの産卵以外は陸上に上がらない。はい呼吸こきゅうをする爬虫類はちゅうるいなので、たまに海面に上がって息継ぎをする。さいは海中で行い、海草、海綿動物、クラゲ、魚類、甲殻類こうかくるいなどを食べる。食性は種類によってことなる。産卵の際、メスは砂浜すなはまに上陸し、潮が満ちてこないほどの高台に穴をってピンポン玉ほどの大きさのたまごを一度に百個ほど産み落とす。産卵後さんらんご、メスは後脚で砂をかけて卵をめ、海へ戻る。砂の中に残された卵は二か月ほどで孵化ふかし、子ガメは海へ旅立つ。小さい子ガメはほとんどが魚類や海鳥などに捕食ほしょくされ、成長できるのはわずかである。また砂浜から海に向かう最中も海鳥やカニ、フナムシなどにおそわれる。これらの捕食動物は沿岸部に多く棲息せいそくしており、子ガメはその先にある外洋を目指す。そのための生理現象として、巣穴から脱出直後の子ガメにはフレンジーとよばれる特殊とくしゅ興奮期こうふんきがあり、子ガメはおよそ丸一日寝ずに泳ぎ続けることができる。これは危険な沿岸部を素早く抜けるためのN.O.Sのようなものであり、生きて外洋に辿りつくだけで生存率は大きく上がると言われている。子ガメは外敵の多い沿岸部をけて外洋で分散して生活する。外洋である程度ていど成長せいちょうしてから沿岸に帰ってくると言われているが外洋での生態にはなぞが多い。なお、オーストラリアに分布するヒラタウミガメは外洋に出ず沿岸部で生活する。また、アカウミガメやアオウミガメの中には成熟せいじゅくした後も外洋で生活するものがいるという研究もある。世界的なウミガメの産卵地は、米国東部、オマーン、日本である。このうち日本は北太平洋で唯一ゆいいつの産卵地である。ウミガメは産卵の際、なみだを流すといわれるが、これは涙腺るいせんから体内にまった塩分えんぶんたい排出はいしゅつしているだけであり、正確には産卵中でなくとも常に彼らは泣いている。眼球の背後には、眼球自体に匹敵する大きさまで肥大化ひだいかした涙腺が存在し、これにより体内に取り込んだ余分な塩分を濾過ろかし、常に体外に放出することで体内の塩分えんぶん濃度のうどを調節している。頭骨とうこつは、この肥大化した涙腺を収めるために眼窩がんか同士どうしを隔てるほねかべが退化し、失われている」

「イベントの司会をこなしており、公共交通や町の環境についてもくわしい」

「なるほど」

「わしのことを紹介するなんて、良い対応なのじゃ!」

すると、ヒビキとチララはこう接した。

「ブティックと靴屋くつやからただでもらった服装ふくそう、気に入ってくれたか?」

その後、新しいコーディネートに身を包んだアラシが現れた。

「似合っているよ」

「ありがとう」

これには、ヒビキにめられたようだ。

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