第100話 リスタート

 ヒビキたちとともにニュートピアをめぐる冒険ぼうけんの旅に出ることを決心したアラシ。

「僕と」

「私が」

「君をサポートしていくよ!」

「本当に俺でいいのか?これからもよろしく」

アラシのパートナーは、バニラとココアに決まった。

 すると、

「その証として、これをあげよう!」

「ありがとう」

「ダイヤモンドは、日本語で金剛石こんごうせきともいう。ダイヤともりゃくされる。結晶けっしょう構造こうぞうは多くが八面体で、十二面体や六面体もある。宝石ほうせき研磨材けんまざいとして利用されている。ダイヤモンドの結晶の原子に不対電子が存在しないため、電気を通さない。地球内部の非常に高温高圧な環境で生成されるダイヤモンドは定まった形で産出されず、また、角張っているわけではないが、そのカットされた宝飾品ほうしょくひんの形から、菱形ひしがた、トランプの絵柄えがら、野球の内野、記号を指してダイヤモンドとも言われている。ダイヤモンドという名前は、ギリシア語の αδάμαςに由来する。イタリア語・スペイン語・ポルトガル語では diamánte、フランス語では diamant、ポーランド語では diáment、漢語表現では金剛石という。ロシア語では диама́нтというよりは алма́зという方が普通であるが、これは特にみがかれていないダイヤモンド原石のことを指す場合がある。磨かれたものについては бриллиа́нтで総称そうしょうされるのが普通である。四月の誕生石である。ダイヤモンドの屈折率くっせつりつは高く、内部での全反射ぜんはんしゃが起こりやすい。またダイヤモンドのカットとしてよく用いられるブリリアントカットでは、光を当ててその反射を見る時、三種類のかがやきの相乗効果となり、美しく見える。ダイヤモンドの硬さは古くからよく知られ、工業的にも研磨や切削せっさくなど多くの用途に利用されている。ダイヤモンドは天然の物質の中では最高クラスのモース硬度こうどや、ヌープ硬度でも飛びけてかたいことが知られている。ビッカース硬度は種類によってことなる。ただし、ダイヤモンドより硬い物質はいくつか知られている。他の宝石や貴金属類とれ合うような状態で持ち運んでいると、それらを傷つけてしまう事があるので配慮はいりょが必要となる。宝石の耐久性たいきゅうせいの表し方は他にも靱性という割れや欠けに対する抵抗力ていこうりょくなどがある。じんせいは水晶と同じであり、ルビーやサファイアよりも低い。よくダイヤモンドはたい衝撃性しょうげきせいすぐれているような印象があるが、鉱物こうぶつとして、靱性は大きくないのでゆるやかに加重されていく圧力に対しては高い強度を持つが、瞬時しゅんじに与えられる力に対しては弱く、かなづちで上からたたけば粉々こなごなに割れてしまう。また、三次元性の結晶構造なのでグラファイトなどに備わっている自己じこ潤滑性じゅんかつせいはない。ここで言う安定性とは薬品や光線などによる変化に対する強さの事である。ダイヤモンドは硫酸りゅうさん塩酸えんさんなどにも変化せず、日光に長年さらされても変化は起きない。グラファイトより高く不安定であり、二十七度では約一万五千気圧以上の高圧下で安定となる。ただし常温常圧において相互の転移速度は観測不能であるほど充分におそく、常温常圧では準安定状態とされる。ダイヤモンドの炭素原子が一部いちぶ窒素ちっそ原子げんし置換ちかんされた立方晶窒化炭素は、ダイヤモンド以上の硬度を持つ可能性があると予測されている。さらに、六方晶ダイヤモンドとの別名を持つロンズデーライトは、ダイヤモンドよりも五十八パーセント高い硬度を持つことが計算により予想されている。人工素材と含めると、二〇〇九年時点で存在するダイヤモンドより硬い物質は、ハイパーダイヤモンドで市販しはんの多結晶質ダイヤモンドの三倍程度の硬さ。また同程度の硬さの物質は超硬度ちょうこうどナノチューブがある。ダイヤモンドの硬さは、炭素原子同士が作る共有結合に由来する。ダイヤモンドでは一つの炭素原子が正四面体の中心にあるとすると、最近接の炭素原子はその四面体の頂点上に存在する。頂点ちょうてん上の炭素原子それぞれがsp3混成こんせい軌道きどうによって結合しており、幾何的に理想的な角度であるため全くゆがみが無い。この結晶構造を持つダイヤを立方晶ダイヤとよぶ。一方で、炭素の同素体であるグラファイトは、層状の六方晶構造で、層内の炭素同士の結合はsp2混成軌道を形成している。この層内では共有結合を有し結合力は比較的ひかくてきつよいが、層間はファンデルワールス結合であるため弱い。六方晶の構造を持つダイヤも存在するが、不安定で地球上には隕石いんせきこんなど非常に限られた場所でしかみつかっておらず、単結晶は存在しない。純粋じゅんすいなものはダイヤモンドよりも硬いことが予想されるが、その性質はまだ分かっていないことも多い。ダイヤモンドには一定の面に沿って割れやすい性質がある。ダイヤモンドは、普通の物質や道具では傷つけられないと思われているが、結晶方向に対する角度を考慮して瞬間的に大きな力を加える、燃焼などの化学反応を人為的じんいてき促進そくしんするなどの方法で容易にこわすことができる。また傷があれば、カッターナイフを当てて軽く手で叩くだけで割れてしまう。ダイヤモンドは熱伝導性が非常に高い。これは原子のねつ振動しんどうがフォノンとなって結晶中を伝わりやすいことによる。触ると冷たく感じるのはこのためである。ダイヤモンドテスターはこの性質を利用して考案され、ダイヤモンドの類似石から識別できる道具だが、合成モアッサナイトだけは識別できない。フォノンの振動数が異なり混在はフォノンを散乱させて熱伝導のさまたげとなるため、合成された人工ダイヤモンドは天然ダイヤモンドより熱伝導が高くなる。CVD人工ダイヤモンドの薄板うすいたを手で持って氷を切ると、すぱすぱと切れる。それほどダイヤモンドが熱伝導性に優れるという。真性半導体として絶縁体ぜつえんたいだが、不純物を添加てんかすることによる不純物半導体化の試みがなされ、ホウ素添加によりp形、リン添加によりn形が得られている。その物性により、現在よりもはるかに高周波・高出力で動作する半導体素子や、バンドギャップを反映した深紫ふかし外線がいせんLEDが実現できるのではないかと期待されてきた。現在、自由励起子じゆうれいきしによる波長二百三十五センチメートルの発光がダイヤモンドpn接合LEDにより報告されている。バンドギャップの温度依存性については報告があるが、半経験則による計算式で用いられているデバイ温度については、負の値があてがわれたり、式自体を意味のあるデバイ温度を用いるために修正したりして報告されており、未解決になっている。p形半導体ダイヤモンドでは、ホウ素添加濃度が極低温で超伝導となることが報告され、半導体による超伝導現象として現在げんざいさかんに研究されている。また、電気伝導がバンド伝導からホッピング伝導、そして濃度の上昇じょうしょうとともに活性化エネルギーがほとんどない金属的伝導になることが知られている。この不純物濃度と不純物準位との相関についても、不純物バンドやモットの金属・非金属転移と絡めて研究が進んでいる。このような半導体としての基礎的きそてきな議論が可能となってきた現在のダイヤモンドの半導体としての品質はシリコンと互角ごかくであると言えるが、制御性せいぎょせいは今後の研究開発がさらに必要である。ダイヤモンドは油になじみやすい性質があり、この性質を利用してダイヤモンド原石とそうでないものを分ける作業もある。ジュエリーとして身に付けているうちに皮脂ひしなどの汚れがつくと、油のまくによって光がダイヤモンド内部に入らなくなり、輝きがにぶくなる。中性ちゅうせい洗剤せんざいや洗顔料などで洗うと油が取れて、輝きが戻る。逆に水には全くなじまず、はじいてしまう」

「ありがとう」

アラシは、バニラとココアからダイヤモンドのマジカルジュエルを手に入れた。

 その後、

「ただいま!」

「おかえりなさい。この人は?」

真田さなだあらし、僕たちとともに旅をすることになった」

「どうも」

アラシはヒビキたちにトリップ号に案内された。

「これでクリスタルが六つ集まったのか…」

「世界樹が完全体になるまで、あと少しだ」

「気を引きめて頑張がんばらなくちゃ」

「うん!」

ヒビキたちは、決意を新たにした。

 一方その頃、

「一つの歴史に終止しゅうしが打たれたのか…。失ってこそ、初めて気づいた大切さを…」

リボーンマウンテンの頂上でアラシがヒビキたちとの戦いに敗れたことに、気落ちしている魔王まおう。しかし、前に進もうとしていた。

「やられたらやり返す、今度は我々の番だ!」

魔王はこう言い残して、どこかへと去っていった。

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