第97話 ヒビキとアラシ、最初で最後の直接対決

 リボーンマウンテンの頂上ちょうじょうでは、マウンテン地方のクリスタルをかけてヒビキたちとアラシによる大一番の幕が上がった。

「俺の本気を見せてやる!」

すると、アラシは青銅せいどうけんを持ってヒビキたちにおそかってきた。

「青銅は、一般いっぱんにいう青銅色は彩度の低い青緑色であるが、本来の青銅は光沢ある金属で、その色は添加物てんかぶつの量によって様々である。添加するすずの量が少なければ日本の十円じゅうえん硬貨こうかにみられるような純銅に近い赤銅色、多くなると次第に黄色味を増して黄金色こがねいろとなり、ある一定量以上の添加では白銀色となる。そのため、古代の銅鏡どうきょうは錫の添加量の多い白銀色の青銅を素材とするものが多く、日本語の白銅の語も元来はその白銀色の青銅を指していた。硬度は錫の添加量が多いほど上がるが、それにともなってもろくもなるので、青銅器時代の青銅製の刀剣は黄金色程度の色彩しきさいの青銅が多く使われている。また、中世・近世の銅鏡はもろい白銀色の青銅ではなく強靭きょうじんな赤銅色の青銅で鋳造し、水銀で磨いたうえでアマルガムを生成させ、鏡面とする方法が主体になっている。しかし、青銅は大気中で徐々じょじょ酸化さんかされて表面に炭酸塩たんさんえんを生じながら緑青となる。そのため、年月を経た青銅器はくすんだ青緑色、つまり青銅色になる。青銅色の名からも分かるように、青銅といえば緑色と思われがちである。しかし、本来の青銅は黄金色やしろ銀色がねいろ金属きんぞく光沢こうたくていする。その見た目から、古代において金銀に準じる金属として利用された面があると考えられる。例として、銅鏡の反射はんしゃ面は白銀色にかがやいていたうえ、弥生やよい時代じだいの国産鏡には錫の含有量がんゆうりょうを下げて黄金色に鋳造ちゅうぞうし、太陽を模したのではないかと考えられるものがある。青銅製の芸術作品の多くはアンモニア塗布などの方法で酸化さんか皮膜ひまくを形成して着色されることが多いが、コンスタンティン・ブランクーシのようにみがき上げて黄金色の金属光沢の作品仕上げをする芸術家もいる。一般に銅は採掘さいくつ可能かのうな量が少なく、硬さと強度ではてつおとるものの、その一方で加工性にすぐれ、鉄よりびにくい。古代中国では、硬いがもろく展延性に劣る鋳鉄を悪金と呼ぶのに対し、加工性と耐久性たいきゅうせいと実用性のバランスに優れた青銅を吉金・美金と称した」

「僕がみんなを守って見せる!」

ヒビキは、サファイアのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それを仲間たちに向けてると、

「クリアーリフレクション!」

ヒビキたちの周りに結界ができ、ダメージを最小限におさえた。

「僕たちも、頑張がんばらなくちゃ!」

「だって、私たちも仲間だから!」

ケンタ・サクラ・ミッケ・リンリン・カナタ・ネネもヒビキをサポートしていく。

「ここからは、僕の出番!」

「私に任せて!」

「ドド、行くよ!」

「本番はまだまだこれから!」

「よし、やってみよう!」

「何が起こるかわからないけど、行っちゃえ!」

「ワイルドトルネード!」

「ブロッサムトゥルビヨン!」

「ダッシュでズドーン!」

「フレアブレイズ!」

「ウッドインパクト!」

「シャインマジック!」

ナツ・ラビカ・ドド・タンタン・ジョン・ミルによって、アラシにダメージを与えた。

 そして、

「愛よ」

「希望よ」

「知性よ!」

ケンタ・サクラ・ミッケ・リンリン・カナタ・ネネは、ヒビキの魔法の筆にパワーをチャージする。

「勇気と友情があれば何でもできる!」

ヒビキは、にじいろに光る魔法の筆を構えると、

「ワンダフル・パワフル・レインボー!」

と、力強く振ってアラシとの戦いに勝利した。

「ぐっ、俺もここまでか…」

すると、アラシは静かに眠るように最期さいごの時を迎えた。

「まだ人生は終わっていないよ!」

「バニラ!」

「ココア!」

その時、バニラとココアはアラシのもとへけ寄るのであった。

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