第74話 発覚!洞窟の秘密

 ヒビキたちが岩石の洞窟どうくつを進んでいると、

「中間ポイント!」

「ここに来たんだね!」

中間地点にたどり着いた。

 すると、

「お願いだから、早く助けてっちょ!」

モグラがアルミニウムのモンスターにおそわれている光景を目撃もくげきした。

「アルミニウムは、単体はぎん白色はくしょくの金属で、常温常圧で高い熱伝導性・電気伝導性を持ち、加工性がよく、実用金属としては軽量であるため、広く用いられている。熱力学的に酸化さんかされやすい金属ではあるが、空気中では表面にできた酸化さんか皮膜ひまくにより内部が保護ほごされるため高い耐食性たいしょくせいを持つ。単体は常温常圧では良好な熱伝導性・電気伝導性を持つ。常温では面心立方格子構造がもっとも安定となる。酸やアルカリにおかされやすいが、空気中では表面に酸化アルミニウムAl2O3の膜ができ、内部は侵されにくくなる。この保護現象は酸化物イオンO2−のイオン半径とアルミニウムの原子半径が近く、アルミニウムイオンAl3+が酸化物の表面構造の隙間すきまにすっぽり収まることが深く関係している。またのう硝酸しょうさんに対しても表面に酸化被膜を生じ反応の進行は停止する。陽極酸化による酸化被膜はアルマイトとも呼ばれる。アルミニウムは鉄の約三十五パーセントの比重であり、密度は低く金属の中でも軽量な方に属し、展性に富む。純アルミニウムは、強度は低いが、ジュラルミンなどのアルミニウム合金はその軽量さ、加工のしやすさを活かしつつ強度を飛躍的ひやくてきに改善しているためさまざまな製品に採用され、産業界で幅広く利用されている。アルミニウム合金は軟鋼なんこうなどとちがい、応力がかかったときの変形に降伏こうふく現象げんしょうを示さない。それは侵入型固溶体しんにゅうがたこようたいである炭素によるコットレル雰囲気ふんいきを持つ鉄合金とは違い、アルミニウム合金には置換型固溶体ちかんがたこようたい合金ごうきんが多いことに起因する。よって、構造設計などの計算を行う場合には、材料力学では降伏点こうふくてんの代わりに耐力たいりょくが代わりに用いられる。応力をかけた際の永久えいきゅうひずみの応力の特性のために、アルミは押し出し成形や摩擦まさつ攪拌かくはん接合せつごうに向いている」

「行こう!」

「うん!」

現場に向かうと、魚のモンスターにとらわれたかもの救出作戦が始まった。

「何が起こるかわからないけど、行っちゃえ!」

ネネは、アメジストのマジカルジュエルを魔法まほうの筆にセット。それをモンスターに向けてると、

「まどろみのすず!」

ミルの魔法によって、モンスターはねむってしまった。

「決めるなら、今しかない!」

ヒビキは、サファイアのマジカルジュエルを魔法の筆にセット。それをモンスターに向けて振ると、

「ジュエリーレイン!」

チララの魔法によって、モンスターを撃退することに成功した。

「モグラは、ロシアデスマンでは頭胴長約二十センチメートル、尾長約十九センチメートルである。シナヒミズでは体長約八センチメートル、尾長約三センチメートルである。体型は細長く、円筒形えんとうけいである。モグラ類は短い体毛、ヒミズ類は粗い体毛と下毛、デスマン類は防水性の密な下毛と油質の上毛で被われる。眼は小型で体毛にまり、チチュウカイモグラなどのように皮膚ひふに埋もれる種もいる。明度はわかるものの、視覚はほとんど発達しない。ヒミズ類の一部を除き耳介はない。鼻面はなづらは長く管状で、下唇したくちびるよりも突出する。鼻面にはしょくもうを除いて体毛はなく、ホシバナモグラでは吻端ふんはしに肉質の突起とっきがある。モグラ類は前肢が外側をむき大型かつほぼ円形で、五本の爪があり土を掘るのに適している。これらは地下で穴を掘って暮らすための適応と考えられる。また、前足は下ではなく横を向いているため、地上ではあまりうまく扱えない。デスマン類では前肢の指に半分ほど、後肢の趾の間には水かきがあり指趾しし剛毛ごうもうが生え水をかくのに適している。触覚が発達し、鼻面やなどに触毛がある。いんけいは後方に向かい、いんのうがない。主に森林や草原の地中に生息するが、デスマン類は水生で河川や湖に生息する。単独で生活し、それぞれの個体が縄張なわばりを形成する。ホシバナモグラは冬季に雌雄しゆうが一緒に生活することもある。主に周日行性で一日に複数回の活動周期がある種が多いが、デスマン類は夜行性やこうせい傾向けいこうが強い。主に昆虫こんちゅう、ミミズなどを食べる。デスマン類は魚類や両生類などの大型の獲物えものも捕食する。食物をたくわえることもある。年に一回だけ五頭のようじゅうを産む。多くのモグラは地下にトンネルを掘ってその中で生活する。モグラが地表付近にトンネルを掘ったときに、その土が地表をし上げられて盛り上がったあとをモグラづかという。ただし、ヒミズのように地表で落ち葉の下に浅いみぞを掘り生活している種もある」

「助けてくれてありがとう!俺はディガーだ!」

ディガーはヒビキたちに挨拶あいさつすると、

「ここに来たからには、君たちに伝えたいことがある」

と、あることを告げる。

「ここは昔、ニュートピア中を貫通するトンネルができる!はずだったんだ…。だけど、多くの住民たちの反対署名を受けて、その計画は頓挫とんざしてしまったわけ」

と、岩石の洞窟でのトンネル工事が白紙になったことを明かした。

「そうだったのか」

「悲しい過去があったとは」

ヒビキとチララは、ディガーの話を聞いた感想を述べて、

「さあ、ハミングタウンに帰ろう!」

「うん!」

ヒビキがスマートフォンで転送アプリを起動して、ハミングタウンに帰ったのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る